2017 Fiscal Year Annual Research Report
革新的な実験手法を用いたミューオン・電子転換過程探索の進展
Project/Area Number |
17H01128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 正治 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (80290849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清矢 良浩 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80251031)
三宅 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80209882)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 素粒子実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
J-PARC MLF D2エリアにおいて、先行研究で開発した飛跡検出器と読出回路一式からなるシステムの総合動作試験を行った。D2エリアが狭いため小型の電磁石を使用したが、電磁石以外の装置(飛跡検出器、読出し回路、データ収集装置、磁石電源など)は全てμ-e転換電子測定用に開発調達したものである。システムは全く問題なく動作し、中間運動量領域(50~70 MeV/c)における Decay-in-Orbit(DIO)のスペクトルをC, Si, SiCの標的に対して収集することができた。 収集された飛跡検出器からの信号波形データに対して、雑音低減処理を行ってから電子の位置を再構成する解析プログラムを開発した。さらにこれらの電子位置から運動量を再構成するプログラムも開発し、モンテカルロ計算と無矛盾な運動量スペクトルを得た。現在詳細な系統誤差の評価を行なっているが、Czarneckiらによって計算された炭素ミュオン原子からのDIO電子スペクトルと無矛盾な結果を得ている。 この時のデータから飛跡検出器の検出効率に時間依存性があることが判明したため、読出し回路の改造とガス構成の最適化を行なった。京都大学複合原子力科学研究所の電子ライナックで試験を行い、時間依存性のないフラットな検出効率(98%)を達成していることを確認した。 μ-e転換過程を探索するために必要なビームラインの建設に資するため、ビームライン電磁石の動作試験を行なった。また、ビームライン電磁石の設置作業を行なった。真空ダクト系などが未完成のため本年度中にビームラインコミッショニングにいたることはできなかったが、効率的なコミッショニングに備えてビーム位置分布を測定する装置の開発を行った。ビーム位置分布測定装置の動作試験を行い、良好な結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
物理測定に使用する検出器システムの開発と性能確認は完了した。当初確認された検出効率の時間に依存する低下も、読出し回路の改造とガスの最適化により解決した。 既存のビームラインを活用して中間運動量領域(50~70 MeV/c)に置けるDIOスペクトルの測定を行った。 物理測定に使用するビームラインの完成が遅れているため、μ-e転換過程の探索測定には着手できていない。 ビームライン建設に参加するなど、施設側と協力しながら物理測定の早期実現に向けて全力を尽くしている。
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Strategy for Future Research Activity |
ビームラインの早期完成をはかるため、施設側と協力しながらビームライン建設などに積極的に参加してゆく。ビームライン完成後のコミッショニングを効率的に行うために必要な装置の開発を行う。 ビームライン建設と同時に、放射線測定器のさらなる安定動作と高性能化を目指した開発研究も推進する。 μ-e転換過程の探索測定で収集する物理データの高品質化を目指して、電子スペクトロメータの校正方法の確立と、それに必要な装置の開発を行う。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Precision Measurement of the π+ → e+ νe Branching Ratio in the PIENU Experiment2017
Author(s)
S. Ito, A. Aguilar-Arevalo, M. Aoki, M. Blecher, D. I. Britton, D. A. Bryman, D. vom Bruch, S. Chen, J. Comfort, S. Cuen-Rochin, L. Doria, P. Gumplinger, A. Husseina, Y. Igarashi, S. Kettell., L. Kurchaninov, L. Littenberg, C. Malbrunot, R. E. Mischke, T. Numao, D. Protopopescu, A. Sher, T. Sullivan, D. Vavilov
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Journal Title
Proceedings of Science
Volume: 294
Pages: 034
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Initial results from the PIENU experiment2017
Author(s)
T. Sullivan, A. Aguilar-Arevalo, M. Aoki, M. Blecher, D. I. Britton, D. A. Bryman, D. vom Bruch, S. Chen, J. Comfort, S. Cuen-Rochin, L. Doria, P. Gumplinger, A. Hussein, Y. Igarashi, S. Ito, S. H. Kettell, L. Kurchaninov, L. S. Littenberg, C. Malbrunot, R. E. Mischke, T. Numao, D. Protopopescu, A. Sher, D. Vavilov
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Journal Title
Hyperfine Intractions
Volume: 238
Pages: 3
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Search for massive neutrinos in π+→e+νe decay2017
Author(s)
S. Ito, A. Aguilar-Arevalo, M. Aoki, M. Blecher, D. I. Britton, D. A. Bryman, D. vom Bruch, S. Chen, J. Comfort, S. Cuen-Rochin, L. Doria, P. Gumplinger, A. Hussein, Y. Igarashi, S. Kettell, L. Kurchaninov, L. Littenberg, C. Malbrunot, R. E. Mischke, T. Numao, D. Protopopescu, A. Sher, T. Sullivan, D. Vavilov
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Journal Title
Hyperfine Interactions
Volume: 238
Pages: 1
DOI
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[Presentation] ミュオン電子転換過程探索実験 DeeMe :準備状況(9)2018
Author(s)
清矢良浩, 青木正治, 河村成肇, 金正倫計, 牧村俊助, 明午伸一郎, 三原智, 三宅康博, 森本史明, 長尾大樹, 中津川洋平, 名取寛顕, 西口創, 沼尾登志男, Pranab Saha, 志垣賢太, 下村浩一郎, 新郷裕太, Patrick Strasser, 手島菜月, Nguyen Duy Thong, Nguyen Minh Truong, 山本風海, 山本和弘, 山崎高幸, 吉中晴香 他11名
Organizer
日本物理学会 第73回年次大会
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[Presentation] DeeMe実験で用いられる読み出しエレクトロニクスの較正2018
Author(s)
吉中晴香, 青木正治, 清矢良浩, Nguyen Minh Truong, 長尾大樹, 中津川洋平, 名取寛顕, 西口創, 三原智, 手島菜月, 森本史明, 山本和弘, 吉田学立, 元石尊寛, 斎藤直人, 三宅康博, 下村浩一郎, 河村成肇, Patrick Strasser, 五十嵐洋一, 古谷優子, 新郷裕太
Organizer
日本物理学会 第73回年次大会
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[Presentation] μ-e転換過程探索実験 DeeMe における DIO バックグラウンドの評価2018
Author(s)
森本史明, 青木正治, 清矢良浩, 長尾大樹, Nguyen Minh Truong, 中津川洋平, 名取寛顕, 手島菜月, 吉中晴香, 山本和弘, 他DeeMeコラボレーション
Organizer
日本物理学会 第73回年次大会
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[Presentation] DeeMe実験におけるDIO測定の解析2018
Author(s)
長尾大樹, 青木正治, 中津川洋平, 清矢良浩, 古谷優子, 吉中晴香, 名取寛顕, 山本和弘, 手島菜月, 森本史明, Nguyen Duy Thong, Nguyen Minh Truong, 河村成肇, 下村浩一郎, 西口創, 三原智, Patrick Strasser, 吉田学立, 元石尊寛, 新郷裕太, 齊藤直人, 三宅康博, 五十嵐洋一
Organizer
日本物理学会 第73回年次大会
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[Presentation] ミューオン原子核の新しい物理反応の探索について2018
Author(s)
名取寛顕, 三原智, 青木正治, 東城順次, 清矢良浩, 山本和弘, MyeongJae Lee, 三宅康弘, 河村成肇, 上野一樹, 中澤遊, 長尾大樹, 手島菜月, 森本史明, 吉中晴香, Beomki Yeo, Truong Minh Nguen
Organizer
日本物理学会 第73回年次大会
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[Presentation] μ-e転換過程探索実験DeeMeに用いられる高レート耐性MWPCの改良と性能評価2018
Author(s)
手島菜月, 青木正治, 阿部尚也, 清矢良浩, 高橋俊晴, Nguyen Minh Truong, 長尾大樹, 中津川洋平, 名取寛顕, 西口創, 三原智, 森本史明, 山本和弘, 吉中晴香, 他DeeMeコラボレーション
Organizer
日本物理学会 第73回年次大会
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[Presentation] DeeMe実験におけるDIOスペクトル測定の解析2017
Author(s)
長尾大樹, 青木正治, 中津川洋平, 清矢良浩, 名取寛顕, 山本和弘, 手島菜月, 森本史明, Nguyen Minh Truong, 吉中晴香, 河村成肇, 下村浩一郎, 西口創, 三原智, Patrick Strasser, 他DeeMeコラボレーション
Organizer
日本物理学会 21017年秋季大会
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[Presentation] μ-e転換過程探索実験DeeMeに用いられる検出器の準備とDIOスペクトル測定について2017
Author(s)
手島菜月, 青木正治, 阿部尚也, 清矢良浩, 高橋俊晴, Nguyen Minh Truong, 長尾大樹, 中津川洋平, 名取寛顕, 西口創, 三原智, 森本史明, 山本和弘, 吉中晴香, 他DeeMeコラボレーション
Organizer
日本物理学会 21017年秋季大会
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[Presentation] μ-e転換過程探索実験 DeeMe における実験領域を満たす He ガスによる飛跡再構成への影響について2017
Author(s)
森本史明, 青木正治, 清矢良浩, 長尾大樹, Nguyen Minh Truong, 中津川洋平, 名取寛顕, 手島菜月, 吉中晴香, 山本和弘, 他DeeMeコラボレーション
Organizer
日本物理学会 21017年秋季大会
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[Presentation] ミュオン電子転換過程探索実験 DeeMe :準備状況(8)2017
Author(s)
青木正治, Bryman Douglas, 古谷優子, 河村成肇, 金正倫計, 名取寛顕, 牧村俊助, 明午伸一郎, 三部勉, 三原智, 三宅康博, 森本史明, 長尾大樹, 中津川洋平, 西口創, 沼尾登志男, Pranab Saha, 清矢良浩, 下村浩一郎, Strasser Patrick, 手島菜月, Nguyen Duy Thong, Nguyen Minh Truong, 山本風海, 山本和弘, 吉中晴香 他8名
Organizer
日本物理学会 21017年秋季大会
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