2020 Fiscal Year Annual Research Report
先進技術とエキゾチック原子法の融合による超高感度反粒子宇宙線観測の推進
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17H01136
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
福家 英之 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (10392820)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 宇宙線 / 暗黒物質 / 反粒子 / 反物質 / エキゾチック原子 / 測定器開発 / 気球実験 / 先端機能デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、国際共同研究計画GAPS(General Anti-Particle Spectrometer)を実現し、宇宙線反粒子の高感度観測によるダークマター探索を推進することである。ダークマターの解明は現在の宇宙物理学の最重要課題の一つである。未発見の宇宙線反粒子である反重陽子は、超対称性粒子ニュートラリーノなどのダークマター有力候補の対消滅などを起源として存在する可能性があり、しかも低エネルギー領域にて二次起源成分(既知の物理学起源)の影響を殆ど受けずに単独で観測できる可能性がある。GAPSは、その反重陽子をかつてない高感度で探索・観測することを計画している。これによりGAPSは、ダークマターの多角的な研究において他実験とは相補的かつ独自の一翼を担うことができる。 2020年度は、それまでの研究成果を踏まえ、南極周回気球飛翔観測に向けたGAPS測定器の開発を進めた。GAPS測定器の中核を担うリチウムドリフト型シリコン(Si(Li))検出器に関しては、前年度に推進した実機の量産製作を完了し、製作した検出器の基本特性評価も完了したうえで、米国の研究協力機関にてモジュール化の作業を進めた。また、GEANTを用いた数値シミュレーションコードの開発も進め、測定器全体や各サブシステムの詳細設計の最適化やデータ解析アルゴリズムの構築検討を進めた。 Si(Li)検出器の冷却のためにOHP(自励振動ヒートパイプ)という先進的な熱工学技術を独自に発展させて開発している冷却システムに関しては、実機検出器アレイのスケールモデルを開発し、実運用法の検討やフライト前の地上での冷却方法の開発を進めた。 得られた成果は学会や学術論文で順次発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で開発した検出器の試験を2020年度に米国で実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染の予期せぬ拡大と長期化により米国の機関閉鎖や米国への渡航制限が続いたため、計画を見直しを余儀なくされた。ただし、2021年に繰り越したうえで2021年度に完了している。 そのほかの研究計画に関しては、Si(Li)検出器実機の量産の完了、GEANTシミュレーションコード開発、冷却システムの実用的試験などを計画通りに実施完了するという成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度までの研究成果を踏まえ、GAPS実験実施に向けた研究開発を引き続き推進する。とりわけ、検出器アレイや冷却システムなどGAPS実機の開発製作を進める。また、実験実施後の観測データ解析を見据え、より実践的な粒子識別手法の開発も進める。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] 宇宙線反粒子探索GAPS実験の進捗報告2021
Author(s)
小財正義, 福家英之, 岡崎峻, 小川博之, 西城大, 徳永翔, 山谷昌大, 吉田哲也, 中上裕輔, 吉田篤正, 和田拓也, 今村光拓, 清水雄輝, 山田昇, 小池貴久, 加藤千尋, 宗像一起, C.J.Hailey, K.Perez, L.Fabris, W.Craig, R.Ong, S.Boggs, P.v.Doetinchem, M.Boezio, et al.
Organizer
日本物理学会 第76回年次大会
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[Presentation] 宇宙線反粒子探索GAPS実験計画の近況報告2021
Author(s)
福家英之, 小財正義, 小川博之, 岡崎峻, 西城大, 徳永翔, 山谷昌大, 吉田哲也, 中上裕輔, 和田拓也, 吉田篤正, 今村光拓, 清水雄輝, 山田昇, 小池貴久, 加藤千尋, 宗像一起, Charles Hailey, Kerstin Perez, Lorenzo Fabris, William Craig, Rene Ong, Steven Boggs, Philip von Doetinchem, Mirko Boezio, for the GAPS collaboration, et al.
Organizer
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所宇宙科学シンポジウム (第21回)
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[Presentation] Detailed Characterization of Novel Si(Li) Detectors for the GAPS Experiment2020
Author(s)
Nishat F. Protyasha, Devin Seyler, Gabriel Bridges, Hideyuki Fuke, Amani Garvin, Charles J. Hailey, Cassia Harper, Kanav Kalucha, Masayoshi Kozai, Kerstin Perez, Field Rogers, Nathan Saffold, Yuki Shimizu, Brian Smallshaw, and Mengjiao Xiao
Organizer
2020 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Passivation of Si(Li) Detectors operated above Cryogenic Temperatures for Space Applications2020
Author(s)
Nathan Saffold, Charles J. Hailey, Evan Martinez, Field Rogers, Hideyuki Fuke, Kerstin Perez, Masayoshi Kozai, Mengjiao Xiao, Radhika Bhatt, Tyler Erjavec, and Yuki Shimizu
Organizer
2020 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC)
Int'l Joint Research
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[Presentation] 宇宙線反粒子探索GAPS実験計画の近況報告2020
Author(s)
福家英之, 小財正義, 小川博之, 岡崎峻, 西城大, 徳永翔, 山谷昌大, 吉田哲也, 中上裕輔, 和田拓也, 吉田篤正, 今村光拓, 清水雄輝, 山田昇, 小池貴久, 加藤千尋, 宗像一起, Charles Hailey, Kerstin Perez, Lorenzo Fabris, William Craig, Rene Ong, Steven Boggs, Philip von Doetinchem, Mirko Boezio, for the GAPS collaboration, et al.
Organizer
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所大気球シンポジウム (2020年度)
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[Presentation] 宇宙線反粒子探索GAPS実験計画の現状報告2020
Author(s)
福家英之, 小財正義, 小川博之, 岡崎峻, 西城大, 徳永翔, 山谷昌大, 吉田哲也, 中上裕輔, 和田拓也, 吉田篤正, 清水雄輝, 山田昇, 小池貴久, 加藤千尋, 宗像一起, 永井大樹, 今西優香, 河内明子, 小林聖平, 本木誠人, 奈良祥太朗, 高橋俊, 竹村薫, 井上剛良, C.J.Hailey, K.Perez, L.Fabris, W.Craig, R.Ong, S.Boggs, P.v.Doetinchem, M.Boezio
Organizer
日本物理学会 2020年秋季大会
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[Presentation] 宇宙線反粒子探索GAPS実験用リチウムドリフト型シリコン検出器の開発(4)2020
Author(s)
小財正義, 徳永翔, 福家英之, T.Erjavec, C.J.Hailey, 加藤千尋, N.Madden, 宗像 一起, K.Perez, F.Rogers, N.Saffold, 清水雄輝, M.Xiao
Organizer
日本物理学会 2020年秋季大会
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