2017 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of a multicolor bioluminescence platform for assaying bioactive small molecules
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17H01215
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金 誠培 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60470043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
チッテリオ ダニエル 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00458952)
田辺 幹雄 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任准教授 (00716871)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生物発光 / ルシフェラーゼ / セレンテラジン / 高速評価 / 多色発光評価 / 化学物質 / ホルモン様活性 / 発光プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、低分子化学物質より引き起される代表的な細胞内分子イベントを特異的な発光色により高速評価する、多色発光評価プラットフォームを創製することを目的に研究を進めてきた。 本課題の初年度(今年度)の研究では、大きく分けて(1)基礎発光基質の有機合成(慶大・産総研)と新規人工生物発光酵素の開発(産総研)、(2)人工生物発光酵素の立体構造解析業務の実施(高エネ研)、(3)化学物質のホルモン様活性を可視化する新たな発光プローブの開発の三つの流れで研究を実施してきた。以下、その詳細を説明する:まず(1)の課題においては、基質と酵素の両側から発光信号の多色化を目指して実験を進めた。例えば、蛍光色素付きの発光基質類を新規合成し、光らせることにより青・緑・赤色発光を実現した。また、新規人工生物発光酵素(ALuc)群を新たに樹立した。これらの成果は、アメリカ化学会(ACS)ジャーナルにそれぞれ報告した(業績リスト参考)。 (2)の課題においては、ALuc類はシステイン含有量の多いことを配慮しつつ、最適な結晶化条件を多数試してきており、引き続き結晶化条件を変えながら結晶化と構造決定実験を進めている。 (3)の課題においては、免疫毒性物質でありながらも長寿要因物質でもあるラパマイシンの生理活性を可視化するイメージングプローブの開発を行った。このプローブを開発するために、ラパマイシンと特異的に結合することが知られているFRBとFKBPをALuc23の両端に繋げて、ラパマイシン依存的な発光輝度の変化を測定した。この成果もACS系のジャーナルに報告した。 まだ、論文報告までには至ってないが、青色から組織透過性の優れた近赤外線に共鳴エネルギーが移動する現象(BRET)を活用した、新たな発光システムを開発し、動物個体で癌の転移を中心とした病理現象解明実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、本研究課題の初年度として、全体的な体制作りと発光基盤技術の開発と応用、人工生物発光の結晶化研究などを進めてきた。 その結果、新たな蛍光色素付き発光基質群の有機合成、新規人工生物発光酵素群を樹立しており、これらの発光素材を用いた新規生物発光プローブを開発した。また結晶化においても一定を糸口を掴んで研究を進めている。これらの成果により3件のアメリカ化学会(ACS)ジャーナルに論文出版またはAcceptされている。他にもこれらの成果を纏めて、プレス発表を2回行った(1回は済み、もう1回は2018年5月17日実施予定)。このような努力により、基礎研究の広がりもさておきながら、企業やマスコミからの注目もかなり受けた結果になった。 上述した研究成果は、低分子化学物質より引き起される代表的な細胞内分子イベントを特異的な発光色により高速評価する上で、重要な進展だと思っている。客観的な研究成果と研究論文の質、今後の広がりの可能性などを総合的にみて、本課題の初年度における研究成果としては当初の計画を上回るもとであると自評する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降には、初年度の研究課題に継続的に取り組むと共に、特異的・多色発光を放つ、斬新な発光基質の合成、人工生物発光酵素(ALuc)群への応用、そして、これらの基盤技術を分子イメージングプローブ開発に応用して行く:より具体的には、近赤外線(IR)や赤色発光が可能な新規発光基質の継続的な有機合成と、ホルモン様化学物質の活性を可視化する分子プローブの開発、更に、これらの発光反応におけるその基礎となる発光メカニズムを解明する研究を行う。継続して、ALucの結晶構造解析を行う。この発光基盤より有機系/融合蛋白質系発光プローブを開発する。
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[Journal Article] Azide- and Dye-Conjugated Coelenterazine Analogues for a Multiplex Molecular Imaging Platform2018
Author(s)
Ryo Nishihara, Emi Hoshino, Yoshiki Kakudate, Satoshi Kishigami, Naoko Iwasawa, Shin-ichi Sasaki, Takahiro Nakajima, Moritoshi Sato, Shigeru Nishiyama, Daniel Citterio, Koji Suzuki, Sung Bae Kim
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Journal Title
Bioconjugate Chemistry
Volume: 29(6)
Pages: 1922-1931
DOI
Peer Reviewed
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