2018 Fiscal Year Annual Research Report
表面反応モデル構築を含む乱流予混合火炎の壁面近傍挙動の解明
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17H01247
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
店橋 護 東京工業大学, 工学院, 教授 (40242276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 祐康 東京工業大学, 工学院, 准教授 (30581673)
源 勇気 東京工業大学, 工学院, 助教 (70769687)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乱流燃焼 / 火炎壁面干渉 / 表面反応モデル / 直接数値計算 / レーザー計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,前年度の進捗を踏まえ,壁面に向かって伝播する層流火炎の数値的研究及び実験的研究を継続して進めるとともに,ガスタービン燃焼器等の強い流動を含む燃焼場における壁面と乱流火炎の干渉及び壁面熱損失機構を明らかにするために,マイクロ・ガスタービンを模擬した矩形燃焼器を対象にした旋回乱流予混合燃焼の超並列大規模直接数値計算を行った. 定容容器内に形成される球状伝播層流予混合火炎と壁面との干渉に対する高空間分解能の光学計測から,壁面材料,初期圧力及び当量比に寄らず,火炎が壁面に近寄るにつれ火炎伝播速度が点火前のバルクの熱化学的条件下での層流燃焼速度まで低下するとともに,さらに火炎が壁面に接近する際に火炎伝播速度が上昇することを明らかにした.この傾向は層流予混合火炎と壁面との干渉の直接数値計算によっても観察された.直接数値計算により表面反応によるラジカルの壁面への吸着が壁面近傍の火炎伝播挙動及び熱流束特性に与える影響を検討し,Head on QuenchingとSide-wall Quenchingに寄らず,表面へのラジカル,特に水素ラジカルの吸着が顕著になる場合,壁面近傍での火炎伝播速度の上昇が抑制されること,熱流束が低減されることを明らかにした. 旋回乱流燃焼燃焼などの強い流動を有する燃焼場における火炎・壁面干渉及び熱流束特性に燃料種や当量比が与える影響を明らかにするために,水素・空気及びメタン/水素・空気旋回乱流予混合燃焼の直接数値計算を行った.燃料組成などが大域的火炎構造の形成に影響を与え,特にメタンの割合を増加させた条件で外側せん断層における火炎が消失し,壁面と火炎の干渉形態が大きく変化することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,本課題で目的としている火炎と壁面との干渉と表面反応との関係を明らかにすることに対して,層流火炎を対象とした数値的研究及び実験的研究の双方から同様の傾向が明らかにされた.さらに乱流場における火炎・壁面干渉に関する研究も一部実験の準備に時間を要しているが,概ね問題なく進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
層流火炎と壁面との干渉に関する研究を推進し,壁面温度,表面反応などの様々な条件が壁面近傍での火炎伝播特性,熱流束特性に与える影響を明らかにし基盤的な知見の充実を計るとともに,当初の計画通り,乱流燃焼場での火炎と壁面干渉に関する研究を遂行する.
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