2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of High Efficiency High Speed Rotation Induction Motor
Project/Area Number |
17H01259
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
榎園 正人 日本文理大学, 工学部, 特任教授 (40136784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槌田 雄二 大分大学, 理工学部, 准教授 (80284785)
祖田 直也 茨城大学, 工学部, 准教授 (80323210)
甲斐 祐一郎 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (50595436)
佐藤 尊 大分大学, 理工学部, 助教 (90647554)
若林 大輔 日本文理大学, 工学部, 助教 (60748747)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高速モータ / 高効率 / 低損失 / 極薄電磁鋼板 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は5kWの誘導モータについて、同サイズからなる試作機を、従来材の無方向性電磁鋼板350μm厚を用いた固定子鉄心と超極薄電磁鋼板80μm厚材の固定子鉄心からモータを1号機として作成し、比較実験を行った。当初計画に基づき単純な鉄心の置き換えで、材料特性の効果を調べるため比較実験を行った。実験は鉄損の実機性能特性を知るため、正弦波駆動を基礎として行われた。これには、大容量の電力増幅器にD/Aコンバータを介してコンピュータ波形制御により実験を行った。従来のモータの試験法を改め、磁性材料の磁気特性評価の視点から、モータ固定子鉄心歯部に施した探りコイルの出力を、A/Dコンバータを介してコンピュータ内で積分演算をし、磁束密度を求め、それを一定にした条件下で負荷試験を行った。これによって、モータの周波数による損失評価が可能となる。その結果、高速度域で鉄損に大きな差が見られ、想定通りの大幅な渦電損の減少による効果を確認できた。現在、この差を分析し、超極薄電磁鋼板による高速誘導モータとしての2号機の基本設計を次のように決定した。鉄心外形80mmφ、スロット数24、4極で回転子側は30銅バー構成とする。これについて、現在、電気装荷の決定が不十分なため、E&Sモデルによる磁気特性解析手法でシミュレーションによって20~30ターンの間でコイル巻き数を変化させて、銅損と鉄損が同程度となる値を探索中である。鉄心材料の超極薄電磁鋼板のベクトル磁気特性の周波数特性を行い、その基本的磁気特性の把握は完了し、その特徴を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
超極薄電磁鋼板は従来材の350μm厚に比べて、製作コストが約10倍になり、その製造方法も高度な技術を要するが、1号機作成の中でそのコスト高を上回る効果が期待できることが確認された。また、新たにアキシャルギャップ構造のモータ開発の可能性を見出すことができ、研究を加速できそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
高周波時の高速回転域ではリアクタンスが大きくなり、電流が流れにくくなり、トルクの低下を引き起こしてしまう問題点も浮き彫りになった。インダクタンスを構成する超極薄電磁鋼板の磁気透磁率が350μm厚材の3~5倍となるため高磁束密度を確保するためには次郎長並びに巻き線数の再設計が必要となる。この解決のためには以下の点が基本方針として挙げられる。回転子短絡二次導体を従来のアルミ材から銅材にし、鉄心磁路長の大幅な変更と高速モータに適した超極薄電磁鋼板の有効活用方法の考案が挙げられる。後者は本計画作成時には兼用しなかった、アキシャルギャップ構造も新構造の高速モータの開発で来年度の計画に新たに加えることとした。平成30年度以降は1号機の分析調査から得られた知見を基に、2号機の基本構造の設計技術の基本使用で、2号機を確定し、その試作に向けた設計手法と設計方法の確定(※重要事項で慎重な検討が必要)を行う。特に銅ロータ開発に注意を払い研究を遂行していく。 ①高速回転用ベクトル磁気特性解析により体格を縮小する。 ②させ、必要トルク確保のための低損失化電気装荷の検討を行い、2号機の試作に繋げる。これは従来法では困難で当技術のバージョンアップが必要である。 ③鉄損並びに銅損の増大は磁界強度Hベクトルの挙動により、それに対応した巻き線構造が求められる。従来はコイルが巻き易い鉄心構造であったが、最適形状に対応した巻き線コイル構造と技術が必要で、この設計には有限要素法(FEM)は不向きで、電流項を負荷項とする境界要素解析(BEM)が有用である。 ④特に2号機の詩作は重要で、共同開発研究としてドイツのモータ研究グループと行うことにした。主として、アーヘン工科大学での評価測定研究を割り当てる計画である。
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Research Products
(120 results)