2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of spin-coupling technology suitable for Si quantum bit integration
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17H01276
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
安田 哲二 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 部長 (90220152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 圭司 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (00302802)
森山 悟士 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (00415324)
伊藤 公平 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30276414)
森 貴洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (70443041)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 量子ビット / スピンカプラー / トンネルFET / シリコン / 等電子トラップ / 量子コンピューター |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目となる本年度はこれまでに確立したプロセスを用いて、(1)検証素子を実際に試作、(2)スピン結合機能の検証実験を実施した。スピン結合機能としてはスピン鎖を対象とした。スピン鎖の形成を単一素子で検証し得る素子として、高チャネル濃度TFETと高IET濃度TFETとを試作した。また、2量子ビット結合を検証する素子として、2素子のチャネルが結合した素子を作製した。これらに加えて従来型IET-TFET素子も用いて行った検証実験の中から、スピン結合機能に繋がる可能性のある以下の結果を得た。 まず従来型IET-TFETにおいて、磁場下で分裂したスピンの異なる2準位間におけるマイクロ波スペクトロスコピーを実施し、複数のマイクロ波励起トンネルの干渉経路が共存していることがわかった。これは従来型IET-TFETの2つの準位間(IET準位と、チャネル不純物準位を想定)においてスピン反転を伴う共鳴トンネル電流が流れることを示している。スピン反転の原因は何らかの相互作用に起因すると考えられるが、スピン間相互作用であることの同定までには至らなかった。 次に、高チャネル不純物濃度IET-TFETにおいて、4スピンESRの観測に成功した。この結果は量子ビット動作を担う2つの電子スピンの周辺に、さらに2個の電子スピンが存在することを示唆する。これは1つの量子ビットと2電子スピンからなる“スピン鎖”との結合系とみなせる。これは複数スピン系が何らかの相互作用を示す物理現象をIET-TFET内において新規に観測したものである。その相互作用は様々なケースが考えられるが、その同定までには至っていない。 以上のように、本年度はスピン結合機能を担うスピン鎖形成の実証の足掛かりとなる物理現象を観測することに成功した。これらの現象の理解を深めて相互作用の制御法を確立することがスピン結合機能の実現につながると期待される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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