2017 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流路の流動挙動解析に基づいた次世代連続操作型分離技術の開発
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17H01339
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
外輪 健一郎 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (00336009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝山 博志 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40251582)
堀河 俊英 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (90380112)
ALCANTARA J.RAFAEL 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 助教 (50709219)
工藤 翔慈 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50735008)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 蒸留 / 晶析 / 連続操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
水平型の蒸留装置を設計、製作し、基礎的な性能評価実験を行った。開発した装置は内径1.5cm、長さ20cmであり、内部の気液接触を撹拌によって強化できる構造となっている。メタノール-エタノール混合物を対象として、性能評価実験を行った。蒸気流量のほか、使用する回転体やその回転数に性能が変化するが、一段の分離に必要な長さは最小で4cmを下回るケースが見られた。本装置の構造をさらに最適化することでコンパクトな連続蒸留装置を構築できる可能性があると結論された。 晶析に関しては、スラグ流やテイラー・クエット流れの応用に注目して検討を進めた。スラグ流に関しては、エタノールを用いた貧溶媒晶析によってL-グルタミン酸の結晶を得る実験を行った。流量や滞留時間を制御することで得られる結晶のメジアン径やCV値を制御できることが示された。 一方のテイラー・クエット流れに関する検討では、数値シミュレーションによってせん断支配の流れが結晶周りの物質移動に及ぼす影響について調査した。せん断支配の条件では、流体から結晶に対する溶質の物質異動速度を強化できる可能性の有ることが示された。 さらに、次世代連続操作型分離技術の固相(結晶相)析出に関して、流路内で結晶粒子群を確実に作成できるための必要条件を確定することを目標に、共結晶製造を対象に、結晶の核化・成長現象などを晶析の考えを取り入れ整理した。過飽和の生成方法や速度、消費速度、また攪拌によるせん断応力などを考慮しながら結晶粒径や形態などの結晶品質を結晶化現象と関連付けて評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蒸留の研究に関しては、撹拌の方式が装置性能に及ぼす影響の解明が順調に進んでいる。晶析に関する検討も、セグメント流を利用するケースについては粒子径やCV値の制御に関する知見が得られていることや、テイラークエット流れについては流れと物質移動の関係が明らかになりつつある。複数の実験系を対象にして包括的に晶析実験およびその解析と評価、操作条件と品質の関連を検討して、本研究課題の完成に関わる学会等で発表できる成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
蒸留の研究では、本年度の知見を活用して新しい装置、回転体を構築し、その上で装置性能を評価する。HETPや圧力損失をより小さくできる技術の開発を目指す。 晶析については流路内で確実に結晶を析出させる手法が確定しているので、次年度は生成される結晶粒子群品質について着目する。結晶相の析出では、粒子群製造と目的物質の精製が同時に生じるので、粒子群としての性質を充分評価することが必要となる。すなわち、結晶粒子群の品質としては粒径と粒径分布、形態について詳細に検討する。
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Research Products
(10 results)