2018 Fiscal Year Annual Research Report
Functional characterization and bottom-up synthesis of nitrogen-doped carbon catalysts
Project/Area Number |
17H01342
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 潤児 筑波大学, 数理物質系, 教授 (40227905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 剛弘 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (70373305)
神原 貴樹 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90204809)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 燃料電池 / 酸素還元反応 / 白金代替触媒 / 窒素ドープカーボン触媒 / 反応メカニズム / カーボンブラック / DFT |
Outline of Annual Research Achievements |
燃料電池の酸素還元反応に用いる白金代替触媒として窒素ドープカーボン触媒が期待されている。本研究では高活性なカーボン系触媒を開発するためにピリジン型窒素を含有する分子をカーボン材料に固定化するボトムアップ触媒の可能性を追求する研究を行っている。初年度は、ジベンゾアクリジンやフェナントロリンなどの分子をカーボンブラックやHOPGに固定化した触媒について研究を行った。酸素還元反応に対する触媒活性が確認されたのでメカニズムの研究を行った。主な結果は次の3項目にまとめられる。①酸性電解質中および電位印加状態におけるカーボンブラック担持フェナントロリンボトムアップ触媒の窒素の状態変化をXPSで調べた。その結果、酸性電解質に浸すだけでピリジン型窒素はプロトンが付加したピリジニウム窒素に変化することがわかった。さらにピリジニウム窒素は電解質中窒素雰囲気下では電位を印加しても変化しないが、酸素雰囲気下ではN-H吸着種に変化することがわかった。すなわち、ピリジニウム窒素が還元されることを意味する。②ジベンゾアクリジンをHOPGに吸着させたモデル触媒における窒素の状態変化を調べた。ジベンゾアクリジンは硫酸電解質中で容易にピリジニウム窒素に転換する。同時にカウンターアニオンとして硫酸イオンが検出される。しかし酸素雰囲気下でN-Hに転換することが明らかとなった。③以上の実験結果からピリジン型窒素がピリジニウム窒素に転換することでπ共役系に電子を供給する還元反応が起こり易くなるものと考えられる。すなわち、分子に酸素が吸着すると同時にπ*軌道に電子が入りやすくなったものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
燃料電池白金代替触媒としての窒素ドープカーボン触媒は世界的にホットな研究領域である。しかしメカニズムに関してはほとんどわかっていない。本研究では重要なポイントとしてπ共役系への電子供給(酸素吸着サイト構築)が窒素の状態変化と連動することを見出した。酸素が吸着すると同時にピリジニウム窒素の還元が起こることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度はメカニズムを完全に解明することを目的としている。すなわち、窒素の状態変化と連動して吸着種がどのように変化するかを速度論的に解明する。そのためにin-situ赤外分光装置を立ち上げ反応中間体を検出する実験に集中する。
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