2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the basic technology for the large super-pressure balloon covered with a net
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17H01352
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
齋藤 芳隆 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50300702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 大輔 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (30435812)
中篠 恭一 東海大学, 工学部, 准教授 (60408028)
松尾 卓摩 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (80406834)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 科学観測気球 / スーパープレッシャー気球 / 膜構造物 / 網 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年3月に製作した体積2,000 m^3の気球の飛翔性能試験を2020年7月14日に実施したところ、放球直後から上昇速度の低下が見られた。バラストを投下して上昇速度を維持し、回収に支障が出ない地点まで東に気球を移動させた後、引き裂き機構を駆動して気球を破壊し、気球を海上の緩降下させ、気球を回収した。実験実施の最低獲得目標であった「打上げから回収までの一連の運用が可能であることを確認すること」および、「飛翔環境下での展開の様子を画像で取得できること」は達成できたものの、典型的な成果である「耐圧性能の評価」には至らなかった。なお、搭載された放射計によって日射量や赤外線放射量の時間変化が得られており、気球の差圧と放射量の関係を研究するといった新しい展望が開けた。 実験終了後、データの解析、および、回収された気球の調査から、以下が判明している。1. 放球直後の上昇速度の低下速度から、空いた穴の大きさを推定すると200 cm2程度となること、2.バラストが尽きた後も上昇速度を保持しており、途中で実効的な穴の大きさが小さくなったと考えられること、3.放球直後の上昇速度も所期の速度よりも低く、上昇速度の低下速度を外挿すると、スプーラー開放の時点から低下がはじまっていることが示唆されること、4. 回収した気球皮膜から、ナイフで切り裂いたような数 cmの長さのスリット状で、切断部近くの傷の「縁」に皮膜が伸ばされた跡が50 um程度の幅で存在する傷が多数見いだされ、中には十字の傷が存在していたこと、5. 皮膜にはモノが押し付けられたような幅100 um程度の凹みも存在していること。これらから、スプーラー開放時に網よりも皮膜が先行して持ち上げられた後、網が急速に加速されて皮膜に衝突したことで、皮膜が衝撃破壊したのが原因と考えており、その仮定、および、その他の可能性を含めた調査、検討、検証を進めている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)