2018 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔操船型自律航行船実現に関する研究-実船実験による検証を含む-
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17H01356
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
庄司 るり 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (50272729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 人意 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (00361808)
古谷 雅理 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (20466923)
國枝 佳明 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (20749791)
榧野 純 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (60425759)
西崎 ちひろ 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (70570993)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自動航行 / 遠隔操船 / OZT(航行妨害ゾーン) / 中期的行動 / 避航法 / 最適航路 / 見張り |
Outline of Annual Research Achievements |
船側システムの改良を行い、一時的な通信環境を確保して、館山湾にて、江東区の大学からの遠隔操船実験を行うことができた。船上の実験班とは別回線にて通信を確保し、乗組員が別途の見張りを行い、すぐに交代できる体制による実船実験であった。船と陸では、船上のカメラによる周囲の状況、船上レーダーの映像、操船に必要な航行データをほぼリアルタイムで共有し、船上での操船と同様の操船状況であった。 河川を航行する小型船舶への搭載に対応し、リアルタイム高速スキャンにより高精度の測距データを得ることが可能な多点レーザ送受信センサー(Class 1 Eye Safe)により、河川での遠隔操船に必要な船舶周辺環境把握システムを構築した。昨年度までの船陸間距離測定と蓄積及び距離測定装置と実写映像の合成を組み合わせることで、河川では水面下の以外の状況把握が可能となった。 操船意思決定支援のための避航操船アルゴリズム構築に関し、他船との遭遇状況により、自船の行動を短期、中期、長期的行動に分類した。通常の避航問題は、海上衝突予防法が適用され、迅速に避航を行わなければならない短期的行動を扱うものが多い。本研究では、他船行動のゆらぎや関係する他船同士の遭遇から予測される他船行動を考慮した中期的行動(衝突危険が顕在化する前に先行避航する行動)による避航アルゴリズムの構築を目指している。また、不測の事態により生じる短期的行動も組み合わせたアルゴリズムについて検討中である。本アルゴリズムは、他船による妨害ゾーン(OZT:Obstacle zone by Target)を利用するものであるが、今年度はOZTの改良を行い、より精度の高い線分によるOZTを考案し、今後はこれを用いることとした。 遠隔操船に必要なオペレータの要件に関連して、船上作業の整理と分析を行っており、今後、情報収集、解析、行動決定の観点から整理を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度同様、船舶と陸上間で安定した通信を目指し、複数の携帯回線を利用した大容量通信環境を構築中であるが、若干の不安定性と実験ごとのシステム準備が必要であり、遠隔操船実験実施回数が制限されている。このことから、遠隔操船データの収集が当初予定より少なくなる可能性があるが、得られるデータで研究を進める予定である。 汐路丸の老朽化に対応した障害対応や過負荷対策等を行っているため、自動トラッキング等の制御アルゴリズム組み込み自体を検討中である。 避航操船アルゴリズムについては、OZTの改良を行ったことから、アルゴリズムの見直しを行っているところであり、より精度の高い避航操船となることが期待できる。 見張の高度化については、レーザLiDARの導入により、これまでより高精度の測距が期待でき、ほぼ予定通りの進捗状況である。 遠隔船運航オペレータの教育検討・法律の整理として、船上作業の整理と分析及び関連法規等の整理を進めているが、IMO(国際海事機関)での検討状況についても取り入れていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
汐路丸を用いた遠隔操船実験を行い、陸上での見張りや遠隔操船と、船上における操船と比較を行う予定である。自動トラッキングについては、制御を行う項目を少なくして可能な範囲で実現できるようなシステムへ改良中であるが、遠隔操船実験を主として進めて行く予定である。 また、船陸間の通信システムを改良し、より安定した通信環境を構築し、上記の遠隔操船を進めて行く。 購入したレーザLiDARを組み入れた見張りシステムを構築し、その精度を検証を行う。 汐路丸での遠隔操船実験により、バーチャル汐路丸や先端ナビゲートシステムを利用した遠隔操船システムにおいて、各種情報の表示や装置操作の使い勝手等について検証を行い、改良すべき項目の整理を行っていく。見張りに必要な情報について、遠隔地の陸上側システムでの表示方法・形式について検討を進める。 らいちょうNについて、現在構築中の距離測定装置と実写映像の合成による操船画面の実装と、距離感を重要視した操船画面の検討をすすめ、早期の実装を目指す。 操船意思決定アルゴリズムについては、自動避航操船機能をアルゴリズムに組み入れていくが、線分OZTを利用して中期的行動(衝突危険が顕在化する前に先行避航する行動)による意思決定を行うためのアルゴリズムの構築を行う。さらに、意思決定のための情報提供(表示)についての評価を進めていく。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] The Monitor System for Remotely Small Vessel controlling2018
Author(s)
Masaki Kondo, Ruri Shoji, Koichi Miyake, Tadasuke Furuya, Kohta Ohshima, Etsuro Shimizu, Masaaki Inaishi, Masaki Nakagawa
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Journal Title
20th International Conference, HIMI 2018, Held as Part of HCI International 2018, (LNCS 10905)
Volume: 1
Pages: 419-428
Peer Reviewed
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[Journal Article] The "Watch" Support System for Ship Navigation2018
Author(s)
Masaki Kondo, Ruri Shoji, Koichi Miyake, Ting Zhang, Tadasuke Furuya, Kohta Ohshima, Masaaki Inaishi, Masaki Nakagawa
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Journal Title
20th International Conference, HIMI 2018, Held as Part of HCI International 2018, (LNCS 10905)
Volume: 1
Pages: 429-440
Peer Reviewed
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