2019 Fiscal Year Annual Research Report
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17H01400
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 神戸大学, 医学研究科, 教授 (10311565)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん抑制遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)Hippo経路の全貌解明/ (a)Hippo経路の生理作用とその破綻病態:頭頚部特異的MOB1欠損マウスは直ちに上皮内癌を発症し、世界最速発がんモデルマウスとして論文投稿を行った。またT細胞特異的MOB1経路欠損マウスを作製し、胸腺から末梢へのT細胞の遊出にMOB1が重要であることも論文発表した。(b)Hippo経路を制御する新規分子:siRNAライブラリースクリーニングを用いて、発現抑制により、YAP蛋白質量や細胞内局在に顕著な変化は示さないものの、YAP標的分子の転写を著しく抑制し、細胞増殖を抑制する RNA分解・翻訳抑制に働く因子Aとそのパラログ因子Bを見出した。 (2)p53経路制御に重要なPICT1の制御機構/PICT1安定化に関わるRPX分子を見出し、RPXが欠損すると、PICT1の蛋白質崩壊とp53の活性化をみることから、アルファスクリーンを用いてRPXとPICT1との結合を可視化できる系を樹立した。またRPXのin vivo作用を検証するため、RPX遺伝子改変マウスの作製も開始した。 (3)PTENの制御機構研究/(a)PTENの最も強力な既知のE3リガーゼ:PTENを不安定化する最も強いユビキチンリガーゼはWWP2であることを見出し、令和2年度にはPTENとWWP2との結合の可視化系を樹立した。またPTENとWWP2の結合サイトも同定した。(b)新規PTEN制御因子の同定:sgRNAライブラリーを用いて、PTENの不安定化を強力に起こす分子6分子を見出した。次にPTENとの結合をそれぞれ細胞内免疫共沈法で解析しようとしたが6分子中強力に蛋白質発現させれたのは2分子だけで、これらにはPTENとの直接結合を示さなかった。現在残り4分子について、プロモーター及びタグの位置を変えたベクター構築を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度もScience Advances(IF12.8), Genes Cellsなどの雑誌に責任著者として論文発表していること、PCT出願をしていること、研究計画もほぼ順調に進んでいることから、進捗は概ね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)Hippo経路の生理作用とその破綻病態の解明:本年度は前年度から引き続き行っている、Hippo経路の子宮特異的欠損マウス解析研究の論文掲載を終了する。また乳腺特異的Hippo経路特異的欠損マウスの解析を行うとともに、腫瘍免疫機能に重要なNKT細胞におけるHippo経路の役割を解析する。(2)Hippo 経路を制御する分子の同定:siRNAライブラリスクリーニングによって見出した、YAP標的分子の転写を著しく抑制する2つの遺伝子の作用点を解析する。 (2)p53 路制御に重要なPICT1の機能とその制御機構の解明:これまでにPICT1の安定性に関わる新分子RPXを見出した。本年度は、RNA量が減少するとRPXからPICT1が乖離する機構を解明する。またRPX遺伝子改変マウスの解析に着手する。 (3)PTEN安定化制御因子の解明:PTENを不安定化する最も強力なユビキチンリガーゼはWWP2であることを見出し、PTENとWWP2の結合を可視化するシステムの構築を終了した。本年度はこの結合を標的とする分子の二次スクリーニングを終える。またPTENの不安定化を強力に起こす6分子のPTENに対する作用を検討する。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] miR-221 Targets QKI to Enhance the Tumorigenic Capacity of Human Colorectal Cancer Stem Cells2019
Author(s)
Junko Mukohyama, Taichi Isobe, Qingjiang Hu, Takanori Hayashi, Takashi Watanabe, Masao Maeda, Hisano Yanagi, Xin Qian, Kimihiro Yamashita, Hironobu Minami, Koshi Mimori, Debashis Sahoo, Yoshihiro Kakeji, Akira Suzuki, Piero Dalerba and Yohei Shimono
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Journal Title
Cancer Research
Volume: 79
Pages: 5151-5158
DOI
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