2017 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPR-mediated 4D nucleome analysis
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17H01407
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 九州大学, 医学研究院, 教授 (90201326)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 核内配置 / dCas9 / Damメチレース / ナノポアシーケンサー / BiFC |
Outline of Annual Research Achievements |
塩基修飾を利用して空間的に近接するクロマチン部位を検出するための第一歩として、DamメチレースK9A変異体の利用を試みた。出芽酵母CUP1遺伝子を標的とするsgRNAとdCas9-Dam(K9A)融合タンパク質を発現する株を作成した。単離したゲノムDNAに対してメチル化依存性制限酵素DpnIとメチル化感受性制限酵素MboIを用いるqPCRアッセイを行いGATC配列のメチル化レベルを検討した結果、CUP1遺伝子近傍にsgRNA依存性にメチル化の誘導が確認された。次にMS2リピートを挿入したsgRNAとdCas9とMCP-Dam(K9A)を共発現する株を作成して、同様の解析を行った。その結果、sgRNAの3'末端から伸長した部分にMS2ループを付加してもメチル化が認められないのに対して、sgRNA内の2つのステムループにMS2ループを挿入すると、dCas9-Dam(K9A)の場合よりも効率的にCUP1遺伝子周辺のGATC部位をメチル化できることが判明した。一方、ゲノムワイドな6mA検出法として、DamID-seq変法を開発し、MiSeqによるシーケンシングでメチル化の確認を行った。また、染色体分子内でのlong-range interactionの検出を目指して、Oxford Nanopore MinIONによる6mAの検出も試みた。
視覚化については、上記のMS2ループの利用で有効な結果を得た。一方、これまでに開発してきたmNeonGreenに加えてmScarlet-IによるBiFCにも成功したので、これらを利用したsgRNA上でのBiFCを利用した高S/N比の視覚化の準備を進めた。
ゲノム領域配置の人為的操作の基礎として、dCas9とorthogonalなdCpf1の使用を試みたが所期の効率が得られなかった。そこでCpf1に代わってsaCas9の検討も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)dCas9によるDamIDに成功した。 2)dCas9にMS2-MCP系を応用したシステムによるメチル化と視覚化が順調に進んだ。 3)6mAのゲノムワイド検出ではDamID-seqの変法を開発した。更に、ナノポアシーケンサーの利用による6mA検出においても有望な結果が得られた。 4)dCpf1の使用については十分な成果が得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)sgRNA内のループにMS2ループを挿入する戦略の有効性がメチル化と視覚化の双方で確認されたので、これを中心にステムの伸長やRNA上でのBiFCの実現に向けての最適化を進めてゆく。 2)メチル化検出については進歩の早いナノポアシーケンサーの動向に注意しながら、独自手法の可能性を追求する。 3)空間配置の操作についてはCpf1に拘らずに、saCas9の利用を検討する。一方、Cas9については標的配列の自由度が高く結合安定性も高いと思われるxCas9の導入を図る。
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Research Products
(1 results)