2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of genome editing platform technology for various disease models
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17H01409
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 卓 広島大学, 理学研究科, 教授 (90244102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 哲史 広島大学, 理学研究科, 講師 (90711143)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / 疾患モデル / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム編集による疾患モデル作製技術を確立する目的で、本件は以下の2つの研究について中心に進め、成果を得ることができた。 1)DSB修復因子の集積による遺伝子ノックイン技術の効率化:疾患メカニズムの解明には、細胞分化状態をモニターするための蛍光レポーター遺伝子をノックインする簡便な技術が必要となる。これまでに、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)を利用したPITCh法を開発してきたが、この方法によってもノックインの効率は、細胞腫や遺伝子座に依存する傾向がみられていた。そこで、MMEJでの修復効率を高める技術として、CRISPR-Cas9システムのガイドRNAにMMEJの増幅因子を集積させるLoADシステムを確立し、複数の遺伝子座でのノックイン効率の上昇を証明した。さらに、LoAD法によってDNAの削り込みに関わるCtIPを集積させることによって、同時に3つの遺伝子座へ異なる蛍光レポーター遺伝子をノックインすることに成功し、学術論文として発表した。 2)ゲノム編集技術の発展技術による転写調節技術の確立:ゲノム編集ツールの切断ドメインの代わりに、deadCas9(dCas9)に転写因子の活性化ドメインを連結した転写調節システムおよびdCas9を利用した転写抑制システムを確立し、標的遺伝子の転写調節を実証した。さらに、転写活性化については、活性化因子を集積するTREEシステムを確立し、さらに高い転写活性を誘導することを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、簡便なPITCh法と修復効率化因子の集積による疾患変異をもつレポーター細胞の作製法の確立および疾患の原因となる一塩基を改変したアレルと正常アレルを同時に作製する方法の確立した。さらに、転写因子などのエフェクターの集積にも成功している。これらの成果から、疾患モデル作製のプラットフォーム技術の確立は順調に進んできると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
LoAD法によってMMEJ修復因子を集積させる方法は、ssODNを利用した一塩基レベルの改変効率を上昇させることがわかってきた。そこで、複数の遺伝子座において、高度な集積技術であるTREEシステムによって種々のMMEJ因子を集積させssODNでのノックイン効率を上昇させる方法を確立する。さらに、ノックインの効率は、遺伝視座のエピゲノム修飾の状態が重要である。そのためエピゲノム修飾の状態からノックイン効率を推測する方法論の開発を行う。
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