2018 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞の維持・若返りを可能にする新規分子メカニズム
Project/Area Number |
17H01433
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
洪 実 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50631199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洪 繁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (90402578)
中武 悠樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20415251)
秋山 智彦 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20570691)
小田 真由美 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (80567511)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 遺伝子機能解析 / マウス発生学 / ノックアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マウス成体組織におけるZscan4の発現解析および遺伝子改変マウスの作製を行った。(1)マウス組織での発現解析はRT-PCR、および本研究室で作製した免疫動物種の異なる複数の特異的抗体を用いた免疫染色法により行った。成体マウスの各組織について調べた結果、これまで報告された精巣・卵巣・膵臓以外の組織でもZscan4の発現を確認することができた。また組織の一部の細胞にのみ陽性細胞がみられることからES細胞と同様の発現パターンを示す可能性が示唆された。(2)昨年度から継続してZscan4ノックアウトマウスの作製を行っている。CRISPR-Cas9システムを用いて、850kbにわたる9つのパラログをもつ Zscan4遺伝子のクラスター領域をすべてノックアウトしたマウスの作成に着手した。まず、昨年度まで難航していたZscan4クラスター領域の下流にLoxP配列を挿入することに成功し、Zscan4 conditional KO ES細胞を樹立した。現在、このES細胞を胚盤胞に注入しキメラマウスの作成を行っている段階である。一方、conditional KO ES細胞にCre発現ベクターを導入しZscan4 全クラスター領域が欠損したES細胞も樹立したが、この細胞についてはキメラマウスの作出に至っている。現在germ line transmissionの検討を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Zscan4遺伝子クラスター領域の欠損に用いたLoxP挿入コンストラクトの作製に時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
Zscan4 conditional KO ES細胞由来のキメラマウスを用いてZscan4欠失マウスを作製し、その表現形質を詳細に検討する。発生過程や成体におけるZscan4欠失の影響を調べるために、JAX研究所など様々な生物資源施設から入手可能な組織特異的Cre酵素発現マウスを利用する。本研究で作製した条件的Zscan4欠失可能マウスを組織特異的Cre発現マウスと掛け合わせることによって特定の組織だけZscan4クラスターを欠失させ、表現形質を分子レベルで詳細に解析する。
|
Research Products
(1 results)