2018 Fiscal Year Annual Research Report
Interdisciplinary Study on Potential of Japonica Rice in the World for Demand, Quality, and Pricing Structure
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17H01491
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 正一 九州大学, 農学研究院, 学術研究員 (30222425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀爪 優 京都大学, 学術情報メディアセンター, 研究員 (20101248)
大坪 研一 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (80353960)
亀山 宏 香川大学, 農学部, 准教授 (70177608)
加古 敏之 吉備国際大学, 農学部, 教授 (00121533)
齋藤 文信 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び林業研究研修センター), 企画経営室, 主任研究員 (40425476)
加藤 和直 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び林業研究研修センター), 農業試験場, 主任研究員 (30503338)
松波 寿典 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 主任研究員 (10506934)
齋藤 陽子 北海道大学, 農学研究院, 講師 (30520796)
阿部 志麿子 中村学園大学短期大学部, 食物栄養学科, 教授 (60192994)
森脇 千夏 中村学園大学短期大学部, 食物栄養学科, 准教授 (90280289)
南石 晃明 九州大学, 農学研究院, 教授 (40355467)
近藤 加代子 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (70221984)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外国産ジャポニカ米 / 官能食味試験 / 潜在的生産能力 / 消費者し好 / 国際貿易 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研の2年目を終了したが、昨年度に続いて研究・調査実績を蓄積した。この1年間の訪問国としては、昨年度と同様に米国、ブラジル、中国、ミャンマー、イタリアを現地調査した。これらの調査により、1.「世界的日本食ブームにともなうジャポニカ米需要拡大、消費者し好」に関しては、各地域で日本食ブームはその後も継続的な広がりを見せ、このブームが今後20年間は維持されるという感触を得た。2.「ジャポニカ米の主要生産国における生産コスト、需要、及び市場価格の相互関連構造」に関しては、米国、イタリア、中国における生産コストのデータを取得できた。 海外におけるジャポニカ米の生産量のデータの把握はかなり困難であるが、イタリアにおいては長粒種からジャポニカ米への移行が着々と進んでおり、日本食レストラン向けに数万トンの生産量に達しているようである。また、タイとベトナムでは近年は急激に増産されており、市場価格の低迷ももたらしているという口頭での情報も得ている。ブラジルでも現在は小規模ながらも本格的かつ安定した生産が始まっている。 3.「海外産及び日本産ジャポニカ米の品質・食味に関する世界基準の策定」に関しては、昨年度に続き、官能食味試験を継続してきた。4.「海外産ジャポニカ米食味の理化学的特性の解明と日本産米との比較分析」においてはデータをかなり蓄積することができた。また、5.「官能食味試験結果と評価価格の連携モデル構築」に関しても、データを蓄積することができた。よって、分析への準備がほぼ整った。最後に、6.「日本及び海外のコメ輸出政策・戦略構造の比較」に関しては、作付けが減少するという傾向も見受けられた。イタリアやブラジルでは稲の研究機関がジャポニカ米の生産に関心を寄せている。また、米国南部のアーカンソー州の稲作農家もジャポニカ米生産にはかなり強い関心を抱いていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外調査における各国のジャポニカ米生産状況、政策、生産コスト、食味のレベル、潜在性などについて、かなりのデータが集まった。ただ、生産量のデータに関しては、ジャポニカ米に関する正式なデータが存在しないため、聞き取り調査に頼らざるを得ないが、正確性においては疑問が残る状況である。ただ、カリフォルニア州においては、データがそろっている。生産コストにおいては、各研究機関が発表しているものが入手でき、また、個別の農家のデータもある程度収集できているので、比較分析が可能となっている。官能食味試験に関しては、中村学園大学のメンバーをベースにした大学全体の協力が得られたことにより、継続試験が可能となった。また、秋田農業試験場とはこれまで同様に食味試験を継続している。外国産米の食味の理化学特性について、日本産米との比較分析を継続している。 中国のジャポニカ米生産量は世界最大かつ断トツであり、その深い調査・研究が必須となるが、中国の研究機関とも共同研究を推進しながら情報収集と分析を継続している。このため、収集できたサンプル数は分析にほぼ十分である。 世界の日本食レストラン・ジャポニカ米の普及状況の予測には依然として困難が見受けられる。データがそろいやすいカリフォルニアを例にシミュレーションを試みているが、将来に向けた普及率(全レストラン数に対する日本食レストランのシェア)の最高値をどの値に設定すべきか、検討中である。また、栄養改善の面からジャポニカ米の需要がどのように影響を受けるかについて、調査を継続している。特に、ジャポニカ米の生産拡大が見込まれるミャンマーにおいて現地の研究機関と共同で調査を進めている。 ホームページによる情報発信は毎月データ更新を行ってきており、食料の国際価格、コメを含む穀類、畜産物の世界各国における需給統計データをグラフと数値で提供している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き情報収集のための海外調査を行う。海外調査の対象国は欧米諸国、中国(北京周辺、黒龍江省、江蘇省、上海、香港など)、シンガポールとベトナム(ハノイ、メコンデルタ地域)、タイ、ミャンマー、ラオス、韓国、南米(ブラジルとチリ)、アメリカ、スペインとし、それぞれグループ派遣及び単独派遣のいずれかを分担者が選択して実施する。2019年度もほぼ全員の分担者が海外調査を行い、海外におけるジャポニカ米の研究機関による研究の状況、流通、政策などについて可能な限り情報を収集する。海外の研究機関とのコンタクトはそれぞれ各自が自分の専門分野で担当する。調査日程は各メンバーの状況を踏まえ設定する。グループ派遣ではそれぞれのグループで日程調整する。 調査の方法はアンケートやインタビューによる現状把握、サンプル収集による機器分析と官能食味試験、ウェブや図書館訪問による資料収集、などによる。海外の日本食レストラン、大学の学生へのアンケート、生産現場の訪問、研究機関への訪問、など多岐にわたる。官能食味試験はその食味パネルを形成している中村学園大学及び秋田農業試験場で実施する。 本年度は本科研の最終年度となるため、これまでに収集したデータを分析し論文作成に多くの時間が要される。また、研究成果をまとめ、書籍の年度内の出版を予定している。さらに、研究成果の報告会を11月に開催する。場所は東京を予定。半日(午後)開催の一般公開とし、コメ生産者、消費者、流通関係者、行政担当者、研究者など、広く出席を呼びかける。なお、すべての研究成果は食料の需給データや国際価格データとともにホームページで情報発信し、一般に公開する。
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Remarks |
インターネット・オンラインによる情報提供
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[Journal Article] 食物摂取頻度調査法(FFQ中村)で推定された女子大生のナトリウム, カリウム摂取量の妥当性2019
Author(s)
梶山倫未, 安武健一郎, 森口里利子, 宮﨑瞳, 阿部志麿子, 増田隆, 今井克己, 岩本昌子, 津田博子, 大部正代, 河手久弥, 木村安美太, 上野宏美, 小野美咲, 川崎遥香, 能口健 , 市川彩絵, 鬼木愛子, 中野修治
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Journal Title
中村学園大学・中村学園大学短期大学部 研究紀要
Volume: 51号
Pages: 105-111
Peer Reviewed
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[Presentation] 女子学生の生活習慣と睡眠の質との関連性について2019
Author(s)
市川彩絵, 花村衣咲, 津田博子, 河手久弥, 阿部志麿子, 今井克己, 岩本昌子, 増田隆, 安武健一郎, 小野美咲, 上野宏美, 梶山倫未, 能口健太, 川崎遥香, 鬼木愛子, 前田翔子, 中野修治, 大部正代
Organizer
第22回日本病態栄養学会年次学術集会
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[Presentation] 肥満女性の減量指導終了後の内臓脂肪面積の変動と食行動との関連2018
Author(s)
森口里利子, 阿部志麿子, 今井克己, 岩本昌子, 大部正代, 河手久弥, 津田博子,安武健一郎, 小野美咲, 市川彩絵, 鬼木愛子, 梶山倫未, 川崎遥香, 能口健太, 上野宏美, 中野修治
Organizer
第39回日本肥満学会
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[Presentation] 閉経後肥満女性のグラフ化体重日記による2年間の起床直後の体重変動の解析2018
Author(s)
上野宏美, 今井克己, 阿部志麿子, 森口里利子, 岩本昌子, 小野美咲, 大部正代,大和孝子, 竹嶋美夏子, 脇本麗, 能口健太, 河手久弥, 川崎遥香, 安武健一郎, 梶山倫未, 市川彩絵, 鬼木愛子, 津田博子, 中野修治
Organizer
第39回日本肥満学会
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[Presentation] 若年女性の血清尿酸値と嗜好飲料摂取の関連2018
Author(s)
宮崎瞳, 上野宏美, 今井克己, 阿部志磨子, 増田隆, 森口里利子, 津田博子, 岩本昌子, 中園栄里, 小野美咲, 五郎丸瞭子, 大部正代, 能口健太, 河手久弥, 甲斐田遥香, 安武健一郎, 梶山倫末, 市川彩絵, 鬼木愛子, 中野修治
Organizer
第72回日本栄養・食糧学会大会
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