2018 Fiscal Year Annual Research Report
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17H01523
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横島 聡 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (10376593)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルカロイド / 多環式化合物 / 合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下に概要を示すものを含む天然有機化合物の合成研究を行った。ダフニフィラムアルカロイドの合成研究:四置換二重結合を含む[7-5-5]三環性骨格の構築にあたり、窒素官能基の転位反応を用いた合成経路を立案した。すなわち第三級炭素に結合した窒素原子の隣接位に二重結合を配置させておき、窒素官能基の転位反応を行うことで、所望の位置に四置換二重結合を導入するというものである。その窒素原子を含む官能基を構築するにあたり、分子内環化付加を用いることとした。マロン酸を原料として用い、異なる2種類のハロゲン化アルキルと順次反応させることで、第4級炭素をもつ化合物を合成した。マロン酸部位を還元して得られるアルコールから前駆体へと導き、環化付加反応を試みた。その結果、環化付加反応そのものは進行するものの、望みとは異なる官能基選択性で反応が進行することが明らかとなった。置換基の導入、官能基の変換を行うことで選択性を制御すべく、必要となる基質の設計および合成を行った。リコポジウムアルカロイドの合成研究:ピログルタミン酸を原料として用い、カルボン酸部位の還元と保護、二重結合の導入を行い、不飽和ラクタムへと変換した。有機銅試薬の1,4-付加反応はラクタム環上の置換基を避ける側から進行した。さらにカルボニル基アルファ位へのアシル基の導入後、ジカルボニル化合物のアクロレインへの付加反応を行ったところ、1,4-付加反応で導入したアルキル側鎖を避ける側から選択的に反応が進行し、ラクタム環上に、第四級炭素を含む連続する3つの不斉中心の構築を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多官能性縮環天然物の合成に向けて、有用な知見を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた有用な知見を更に発展させ、また明らかとなった問題点を解決する方法を検討し、研究を推進させる。
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Research Products
(9 results)