2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H01523
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横島 聡 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (10376593)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 天然有機化合物 / アルカロイド / 有機合成 / 窒素原子 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下に概要を示すものを含む天然有機化合物の合成研究を行った。ダフニフィラムアルカロイドの合成研究:ダフニフィラムアルカロイドに広く見られる部分構造である、不斉第四級炭素、連続する2つの不斉中心、およびそれらに隣接した四置換二重結合を含む三環性骨格の構築に関して、電子環状反応を基軸とした合成戦略について検討を行った。すなわちケトエステルのアルキル化により第四級不斉中心を構築し、ビニル基の導入およびエキソメチレン部位の構築を経て、電子環状反応に必要な構造をもつ基質の合成を行った。さらに酸素官能基の活性化に関して、種々の活性化基および活性化に必要なルイス酸などの試薬、溶媒、温度などを検討することで、電子環状反応を行うことに成功し、四置換二重結合を含む所望の構造をもつ化合物を得た。天然物の合成経路確立へと向けて、さらなる置換基をもつ基質の合成に関しての検討も行い、Diels-Alder反応および環拡大反応を用いた合成経路を見出した。リコポジウムアルカロイドの合成研究:Diels-Alder反応および環縮小反応を鍵工程とすることで第四級炭素を含む基本炭素骨格の構築を行った。カルボニル基の立体選択的な還元およびオキシムの形成を経て、目的とする位置に立体選択的にアミノ基を導入することに成功した。また関連化合物の合成研究の途上で見いだされた反応を基盤として、ニトロフェニル基をもつケトンから、塩基性条件下ニトロンを発生させる反応を見出し、基質一般性および反応機構に関する知見を得た。またエノールエーテルおよびシクロプロパンをあわせもつ化合物の加水分解に関して、核磁気共鳴装置を用いることで反応機構に関する知見を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とする構造の構築に向けて、知見が蓄積されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
合成を進展させるためには、さらに多くの官能基を含む基質の合成が必要であり、その量的供給を含めて、検討する必要がある。
|
Research Products
(7 results)