2018 Fiscal Year Annual Research Report
Prevalence of frailty and its relation with psychosocial and economical inequity in a national sample of Japanese older adults
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17H01555
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
新開 省二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 副所長 (60171063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 弘子 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 教授 (10292731)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フレイル / 全国高齢者代表標本 / 縦断研究 / 格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.フレイルの分布推計と健康アウトカムとの関連の検討 2012年(第8回)調査において対象者本人が訪問面接調査に回答した、65歳以上の2206人を分析対象とした。フレイルの定義は、Friedらが提唱した5つの基準を採用し、面接および体力・身体測定(握力、2.5m通常歩行速度、身長・体重)データを用いて、対象集団の年齢の偏りを補正したフレイル割合を算出した。65歳以上全体では、フレイル(フレイル基準3個以上該当)8.7%、プリフレイル(1~2個該当)40.8%、非フレイル(該当なし)50.5%であったが、先行研究と同様に、フレイルは女性で多く、男女共に高齢になるほど割合が高かった。 健康アウトカムは次のように測定し、2012年のフレイル状況との関連を調べた。死亡は、2017年(第9回調査)まで5年間における発生との関連をCox比例ハザードモデルにて、入院・入所およびBADL障害は、2017年時点での発生との関連をロジスティック回帰分析にて検討した。なお、社会人口学的変数、健康行動、健康状態を共変量とした。その結果、いずれの健康アウトカムにおいてもフレイル群で最もリスクが高く、本研究で設定したフレイル基準の妥当性が示された。 2.フレイル状況の5年間の変化 2017年も2012年と同じ基準を用いてフレイルの判定を行い、調査からの脱落状況を含む5年間での変化の実態を明らかにした。2012年に「フレイル」だった人のうち、2017年もフレイルは14%、プリフレイルに改善は10%で、残りの76%については、死亡(35%)、入院・入所・要介護(23%)などの理由により調査への協力を得られなかった。他方、2012年に「プリフレイル」だった人では、2017年調査無回答が43%(死亡、入院・入所等)であり、フレイル(悪化)8%、プリフレイル(維持)36%、非フレイル(改善)14%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、第9回調査(2017年)を含む縦断的な分析に着手し、結果の一部については、アメリカ老年学会のlate breakerポスターにて報告することができた。また、第9回調査の結果の概要をまとめた冊子を作成し、調査対象者へのフィードバックを行うとともに、調査ホームページ上でも公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.縦断データを用いたフレイルの分析 前年度に引き続き、フレイル状況(フレイル、プリフレイル、非フレイル)の差を生み出す個人・地域特性についてさらなる分析を進める。また、2012年から2017年までの5年間のフレイル状況の変化について、「非フレイル」「プリフレイル」の状況を維持・改善できた群と、フレイル状況が悪化した群、すなわち新たにフレイルに移行したり、死亡、入院・入所、要介護化により追跡調査から脱落した群との比較を行い、どのような心理・社会・経済的特性がこれらの変化を予測するのかを明らかにする。また、フレイル発生による心理・社会的資源の変化についても分析する。 2.研究成果の公表 2019年度は研究計画の最終年度にあたるため、研究分担者、研究協力者と連携しながら第9回調査の研究報告書を作成するとともに、第9回までのデータを分析した研究成果について、学会発表、論文等において積極的に公表していく。
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Remarks |
東京都健康長寿医療センター研究所・東京大学高齢社会総合研究機構・ミシガン大学:中高年者の健康と生活No.5-「長寿社会における暮らし方の調査」2017年調査の結果報告―2019年2月 (全9ページの冊子)
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Research Products
(8 results)