2018 Fiscal Year Annual Research Report
復帰変異モザイク表皮水疱症モデルマウスの作製と新規遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
17H01572
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 宏 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00146672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新熊 悟 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00613788)
岩田 浩明 北海道大学, 大学病院, 助教 (20397334)
西江 渉 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (20443955)
乃村 俊史 北海道大学, 大学病院, 講師 (50399911)
藤田 靖幸 北海道大学, 大学病院, 講師 (80374437)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 表皮水疱症 / 復帰変異モザイク / 遺伝子治療 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
17型コラーゲン遺伝子特異的CRISPR/Cas9システムの構築:遺伝子編集技術の中でも特に有効性の高いCRISPR/Cas9システムを用いて,ターゲット遺伝子であるマウス17型コラーゲン遺伝子の切断を試みている。in silico softwareを用いて、マウス17型コラーゲン遺伝子のexon2、exon3、intron2領域を特異的に切断可能なガイドRNAを設計した。さらにpEGxxFPシステムを用いてCRISPR/Cas9の効率を確認し、それぞれのターゲットに対する高効率なCRISPR/Cas9システムを構築した。 復帰変異モザイクを有する表皮水疱症モデルマウスの作製:17型コラーゲンタンパクを欠損する表皮水疱症患者では、ほぼ全例で復帰変異モザイクを有することが知られている。我々は復帰変異モザイクを有する表皮水疱症モデルマウスを作製している。マウス17型コラーゲン遺伝子のexon 2およびexon 3のある部位を特異的に切断することが可能なCRISPR/Cas9システムをマウス受精卵にinjectionし、マウス17型コラーゲン遺伝子のexon 2およびexon 3にフレームシフト変異を誘導させたヘテロ17型コラーゲン遺伝子欠損マウスを作製した。現在、これらのマウスを交配し、17型コラーゲンのそれぞれのアリルのexon2およびexon3にフレームシフト変異を有する複合ヘテロ接合型17型コラーゲン欠損マウスの作製を行っている。 表皮角化細胞に対し高効率に遺伝子編集可能なCRISPR/Cas9システムの構築:マウス17型コラーゲン遺伝子のintron2領域においてDNA2本鎖切断を誘導するCRISPR/Cas9システムの作製に成功した。これまでAAV-2セロタイプを用いた遺伝子導入法を試みていたが、AAV-Proを用いることで高効率に遺伝子編集を誘導することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように、①17型コラーゲン遺伝子特異的CRISPR/Cas9システムの構築、②復帰変異モザイクを有する表皮水疱症モデルマウスの作製、③表皮角化細胞に対し高効率に遺伝子編集可能なCRISPR/Cas9システムの構築に成功したため、現在、モデルマウスに対し、直接CRISPR/Cas9の遺伝子導入を行っている。 ただ、この表皮水疱症モデルマウスは長期間生存することが困難であり、遺伝子導入後早期に死亡するため、現在、生体内において体細胞組換えを確認できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
表皮水疱症モデルマウスが長期間生存しないことが、現在の問題点である。今後は免疫不全マウスにモデルマウスの皮膚を移植し、長期間観察することが可能な状況下で、研究を進めていく。
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Research Products
(5 results)