2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of noninvasive nuclear monitoring for chronic rejection after lung transplantation and development of early therapy
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17H01581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 雅昭 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00623109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 美和子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 計測・線量評価部, 主幹研究員(任非) (00529183)
伊達 洋至 京都大学, 医学研究科, 教授 (60252962)
中島 淳 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90188954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺移植 / 慢性拒絶 / BOS / RAS |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ラットBOS (LPS 投与)におけるリンパ組織新生・抗ドナー特異抗体産生の研究に関しては現在論文投稿中である(Takahagi A, Sato M, et al., Airway-centered inflammation induced by LPS instillation leads to BOS-like phenotype of CLAD in rat lung transplantation)。 2)マウス気管移植モデルにおけるLPSを介したTLR4経路の線維化に及ぼす影響に関する論文がpublishされた(Kawashima M, Sato M, et al. Role of Toll-like Receptor 4 Expressed by Fibroblasts in Allograft Fibrosis in Mouse Orthotopic Tracheal Transplantation. Transplant Proc. 2018;50(10):3863-3872)。 3)また研究代表者の佐藤は引き続き肺移植の当該分野に関する講演を国内外で多く行っている。国際心肺移植学会(ISHLT)のpulmonary councilでは、CLADの分類として佐藤らが2010年に提唱したRASが、BOSと並ぶCLADの重要なphenotypeとして認められ、2019年4月consensus reportが発表された(Glanville AR, Verleden GM, Todd JL, Benden C, Calabrese F, Gottlieb J, Sato M, et al. Chronic Lung Allograft Dysfunction: Definition and Update of Restrictive Allograft Syndrome (RAS) A Consensus Report from the Pulmonary Council of the ISHLT. J Heart Lung Transplant. 2019 (in press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
移植肺に潜在する慢性炎症のPET/CT による非侵襲的検出法の開発」については研究がやや遅れている。ラット肺移植モデルを東京大学において作成し慢性拒絶の状態が再現できているものの、共同研究施設である量子科学技術研究開発機構における小動物用PET/CT機器の使用の条件が整わず、予定していたCLADモデルにおけるFDGの取り込みを検討するに至っていない。 それ以外の研究についてはおおむね順調に進んでいる。具体的には、 移植肺の局所慢性炎症におけるリンパ組織新生とドナー特異抗体の役割解明と治療法開発:臨床肺移植検体でのリンパ組織新生・ドナー特異抗体産生の研究についてはトロント大学との共同で宮本、高萩、川島らが研究を進めている。再肺移植時に検体を採取するため、検体採取の機会が限られてはいるが、解析を開始する段階にある。③予後不良型のCLADであるRASのリスク解析については、トロント大学のデータベースを用いて高萩が免疫抑制剤濃度に関する研究、川島がCMV感染に関する研究を進めている。 慢性炎症状態の移植肺に対する抗炎症療法および抗線維化療法の検討:抗線維化薬であるピルフェニドンをラットのえさにまぜ、RASモデルに投与する実験を開始している。もう一つの抗線維化薬であるニンテダニブについても入手手続きを進めており、入手でき次第、動物実験を開始する予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
I.移植肺に潜在する慢性炎症のPET/CT による非侵襲的検出法の開発:東京大学アイソトープセンターでのPET/CTの使用準備が整いつつある。また撮影のための動物モデル(肺移植後慢性拒絶モデル)はすでに確立している。 II. 移植肺内におけるリンパ組織新生と,局所産生抗ドナー特異抗体の,BOSとRASでの役割解明:本目標についてはすでに論文化がなされている。臨床肺移植検体でのリンパ組織新生・ドナー特異抗体産生の研究についてはトロント大学との共同で宮本、高萩、川島らが研究を進めている。再肺移植時に検体を採取するため、検体採取の機会が限られてはいるが、解析を開始する段階にある。 III. 慢性炎症状態の移植肺に対する抗炎症療法および抗線維化療法の検討と,PET/CTによる治療効果モニタリングの実現:現在、抗線維化薬であるピルフェニドンをラットのえさにまぜ、RASモデルに投与する実験を開始している。本年度はこのモデルの長期治療結果を得ること、また②のFDG-PETが稼働し次第、本モデルも用いてモニタリングを行うことを目標としている。またもう一つの抗線維化薬であるニンテダニブについても入手手続きを進めており、入手でき次第、動物実験を開始する予定としている。 IV. 予後不良型のCLADであるRASのリスク解析については、トロント大学のデータベースを用いて高萩が免疫抑制剤濃度に関する研究、川島がCMV感染に関する研究を進めている。
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