2017 Fiscal Year Annual Research Report
LPA signaling molecules and basic diagnostic and therapeutic studies on chronic pain
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17H01586
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植田 弘師 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (00145674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 完 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (00529943)
藤田 和歌子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30382328)
金子 周司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60177516)
崔 翼龍 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, ユニットリーダー (60312229)
酒井 佑宜 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (70588095)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 痛みメモリー / Centralized Pain / Empathy / 線維筋痛症 / LPA受容体 / 脳卒中後慢性疼痛 / Imaging MS解析 / PET解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では慢性疼痛における「痛みメモリー」のフィードフォワード機構がCentralized Pain(可塑的上位脳性疼痛)を形成するという新しい概念を提唱し、その検証研究を行うことが目的である。しかも最も重要な視点は、研究代表者が2004年に発見したリゾホスファチジン酸(LPA)とその受容体シグナルが全てに共通しているという事実にある。本研究ではこの目的を遂行するために、より多くの異なる種類の慢性疼痛動物モデルを開発・利用することから始めている。2017年度では独創的慢性疼痛病態としてEmpathy誘発型の線維筋痛症モデルと安定した脳卒中後性慢性疼痛モデルの作成に成功し、前者は論文報告とし、後者は投稿中である。LPAシグナルがこうした多くの慢性疼痛モデルの形成に関与する事は遺伝子改変マウスを用いて明らかにできているが、これに加えていったん形成した慢性疼痛に対して受容体拮抗薬などが「痛みメモリー」を消去できることも見出し、慢性疼痛の維持期にも鍵としての役割を有することが解明された。こうした「痛みメモリー」は脳のみならず末梢免疫系ともリンクしていることが次第に明らかとなりつつある。脳における責任領域と各種脳組織や末梢組織における責任細胞や責任分子の同定にはRNA解析を基礎とした遺伝子解析から上流と下流シグナルを同定する研究準備を行っている。特に脳における責任領域の同定のために、Imaging-MS解析とPET解析、光遺伝学を用いた分子レベルでの機能検証研究を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独創的慢性疼痛病態としてEmpathy誘発型の線維筋痛症モデルや安定した脳卒中後性慢性疼痛モデルの作成に成功し、いずれの例においてもLPA受容体遺伝子欠損マウスにおいて疼痛の消去を見出している。この新規線維筋痛症モデルマウスは雌性優位な全身性疼痛などの病態生理学的性質を備え、オピオイド鎮痛欠如や抗てんかん薬・抗うつ薬の有効性などの治療薬理学的性質においても臨床所見と類似することが明らかとなった。脳卒中後慢性疼痛では急性期治療の中心となるtPA投与を遅くした場合のモデルとした独創的なモデルとなった。いずれの例においてもLPA受容体遺伝子欠損マウスにおいて疼痛の消去を見出し、LPA受容体拮抗薬の連続投与によりその「痛みメモリー」が消去されるという、本研究の中心となる所見を明らかにできた。現時点ではその分子メカニズムの解明を急いでおり、ミクログリアやアストロサイトを介するLPA生合成やLPAシグナルの関与など、細胞レベルでの研究も明らかにしつつある。また、Imaging-MS解析とPET解析においては具体的な成果が出つつ有り、また光遺伝学を用いた分子レベルでの機能検証研究に関しては、TGマウス導入準備を開始した。本研究における新しい概念として「痛みメモリー」のフィードフォワード機構があり、その機構がCentralized Pain(可塑的上位脳性疼痛)を形成するという考えを提唱してきているが、その機構に脳以外に全身性の免疫機構も関与することを見出しつつ有り、脳と末梢免疫組織間の両方向性の情報促通機構に関する分子薬理学的さらには遺伝子解析に発展した研究展開を行っている。こうした新規性に富む研究戦略から治療基盤を得ることは多いに期待でき、その意味から研究の達成度は概ね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
LPA生合成やLPA機能に直結する脳部位候補はImaging-MS解析、PET解析実施、光遺伝学などを通じた時空間的解析で解明することを急務としているが、その後の研究としてRNAを基礎とした遺伝子解析を行い、さらにはsiRNAやshRNA投与による機能検証を通じて責任領域と責任分子の同定とする。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] LPA5 Signaling is Involved in Multiple Sclerosis-mediated Neuropathic Pain in the Cuprizone Mouse Model.2018
Author(s)
Tsukahara R, Yamamoto S, Yoshikawa K,Gotoh M, Tsukahara T, Neyama H, Ishii S, Akahoshi N, Yanagida K, Sumida H, Araki M, Araki K, Yamamura K, Murakami-Murofushi K, Ueda H:
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Journal Title
Journal of Pharmacological Sciences
Volume: 136(2)
Pages: 93-96
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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