2020 Fiscal Year Annual Research Report
上咽頭癌発癌ならびに多様性獲得分子機構の解析と新規治療法の開発
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17H01590
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉崎 智一 金沢大学, 医学系, 教授 (70262582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 寿史 金沢大学, 附属病院, 講師 (20547179)
遠藤 一平 金沢大学, 附属病院, 助教 (30547154)
波多野 都 金沢大学, 附属病院, 助教 (30557484)
近藤 悟 金沢大学, 附属病院, 講師 (70436822)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 上咽頭癌 / Epstein-Barr ウイルス / 細胞競合 / オートファジー / LMP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
多様な細胞集団からなる上咽頭癌組織構築過程をEpstein-Barr ウイルス(EBV)、内因性免疫、オートファジーを柱として解明し、新規治療戦略を開発することを目的として、以下の研究成果を得た。 1) 細胞に備わる内因性免疫因子APOBECの相互作用がEBVDNAだけでなく、ミトコンドリアDNAに変異を導入し、ミトコンドリア機能不全を誘導する。その蓄積による機能不全の影響が上咽頭上皮細胞が癌幹細胞から多様に分化した癌細胞集団を形成する過程と密接に関与することが判明した。 2) 癌治療における喫緊の課題である薬剤耐性を獲得すた上咽頭癌細胞分画に対する有望なアプローチとして細胞競合を見いだした。この細胞競合を応用した新規治療法の礎として、EBV癌遺伝子LMP1発現細胞と非発現細胞間で細胞競合が生じること、この現象は主としてNF-κBににより調整されていることを解明した。そして、NF-κB発現を抑制することでLMP1発現細胞優位であった競合現象はLMP1非発現細胞が勝者となることが判明した。 3) ヒト上咽頭癌細胞癌組織を有する上咽頭癌異種移植モデルマウスレパートリーを作製し、腫瘍間癌細胞多様性に関する解析を行った。EBV陽性上咽頭癌細胞はクロロキンによりオートファジーを抑制することで化学療法に対する感受性が亢進することが判明した。これによりオートファジー制御による新規化学治療法開発の礎とすることが可能となった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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