2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and dissemination of the Oxycontin activation program for promoting tailor-made childbirth and child rearing experience
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17H01613
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
堀内 成子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70157056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 宏美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (10213555)
中村 幸代 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10439515)
篠原 一之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (30226154)
八重 ゆかり 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50584447)
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70297068)
周尾 卓也 北陸大学, 薬学部, 講師 (90399006)
西原 京子 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 特別研究員 (80172683)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オキシトシン / ボンディング障害 / 産後うつ / マタニティブルーズ / 疲労感 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、産後のオキシトシン値とボンディング障害、マタニティブルーズ、疲労感との関連について検討した。 【方法】同一対象者の4時点(妊娠36~37週、妊娠38週~39週、産後1~2日、産後4~5日)を追跡した記述研究である。対象は、経腟分娩を予定しているローリスク妊婦とした。唾液オキシトシン値は、液-固相抽出で前処理した検体を酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)に供することで定量した。 【結果】対象者は、初産婦14名、平均年齢33歳であった。産後1日目にボンディング障害と判定された者(n=3)の平均オキシトシン値は、16.4pg/ml(SD3.3)、正常者(n=11)は、14.9pg/ml(SD4.2)であった。産後5日目では、オキシトシン値の平均は、ボンディング障害と判定された者(n=6)は、9.8pg/ml(SD5.2)、正常者(n=7)は11.6pg/ml(SD5.8)であり、いずれも有意な差は認められなかった。ボンディング障害とオキシトシン値に関連は認めなかった。次に、マタニティブルーズと判定された者は、産後5日目のオキシトシン値の平均は、正常者(n=8)は12.1pg/ml(SD5.8)であり、マタニティブルーズと判定された者(n=5)は、9.1pg/ml(SD4.9)と正常者よりも平均値は低かったが、有意差は認めなかった。マタニティブルーズの得点とオキシトシン値との相関は、r=-0.40,p=0.15であった。産後の疲労感とオキシトシン値との関係は、有意な負の相関が認められた。今回、最もオキシトシン値と関連を認めたのは、産後疲労感であり、疲労感が強いほど唾液オキシトシン値は低下していた。 【結論】唾液オキシトシン値とマタニティブルーズ、産後疲労感との関連が示唆されたため、サンプルサイズを増やし、更なる調査が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備研究として、本年度の研究は行われ、方法論に関する実行可能性を確かめた。仮説のうち、オキシトシン値とボンディング障害については、支持されなかったため、本研究においては、指標として分析することを諦めた。次の本研究計画へと進むことができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、妊婦の妊娠後期から産褥早期の唾液オキシトシン値の変化を縦断的追跡し、産後の疲労感とマタニティブルーズとの関連を探索することを目的とする。<研究デザイン>4時点(妊娠36~37週、妊娠38週~39週、産後1~2日、産後4~5日)を追跡する縦断的観察研究<研究対象者>20歳以上41歳未満の初産婦、単胎で経腟分娩をする予定のローリスク妊婦とする。<サンプルサイズ>G*Powerを用いて、相関係数0.4と想定し、検出力0.8、両側検定、有意水準5%とし算出し、最低46名必要。<データ収集項目> 唾液オキシトシン値、基本属性、分娩アウトカム、児のアウトカム、産後の状況。<データ収集方法> 1)唾液オキシトシン値:4時点唾液採取を行う。オキシトシン濃度は、酵素結合吸着検定(ELISA)の手法により、2重測定(duplicate assay)で決定し、解析は、共同研究先の北陸大学へ依頼する。2)基本属性:初回のデータ収集時に質問紙を用いて収集する。①PBIは、Parker ら(1979)によって作成され、養育者である両親の養育態度について、その子どもが評価を行う尺度である。②不安についてはSpielbergerら(1970)が開発し、中里ら(1982)が日本語版にした状態不安・特性不安尺度(STAI)のうち、その人の不安になりやすい性格特性を示す特性不安を測定。 3)分娩と児のアウトカム:研究者が医療記録よりデータ収集する。4)産後の状況:産後の疲労感(VAS)およびマタニティブルーズ。<分析方法>各変数の基本統計量を算出する。唾液オキシトシン値の経時的変化、オキシトシン値と産後の疲労感とマタニティブルーズとの関連について相関係数を行い、その後、重回帰分析を行う。
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Research Products
(11 results)