2021 Fiscal Year Annual Research Report
A new development of stone deterioration and multidiscipinaly research on conservation in Angkor monument group
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17H01628
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 敏也 筑波大学, 芸術系, 教授 (60306074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 博 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00241117)
原 光二郎 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (10325938)
中川 武 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (30063770)
内田 悦生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40185020)
下田 一太 筑波大学, 芸術系, 准教授 (40386719)
河崎 衣美 奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部資料課, 主任研究員 (60732419)
大石 岳史 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80569509)
石塚 充雅 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (80839126)
片山 葉子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 客員研究員 (90165415)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 浮き彫り / 砂岩 / 保存処置 / 劣化 / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
2007年から暴露した砂岩資料の吸水率測定および表面硬度測定により評価を行っている。処理の結果から、保存処理効果は15年後も維持されていることがわかった。典型的な劣化が見られ、装飾のない壁面を中心に試験施工を開始した。8年後、弱い部分は強化され、処理された石材の表面は均質に強化されていた。各試験施工石材の位置で測定した表面反発硬度硬度は概ね1.6から2.0倍になり、表面硬度のばらつきは約1/3から1/2に減少した。微生物の影響を調べるため、次のようにサンプリングを実施した。 覆屋による8年間の処置による効果を評価した。その結果、屋根上の微生物の多くは枯死しており、その除去は容易であり、本覆屋の利点であると言える。薬剤や水、そして作業人件費などを抑制できることから経済的なクリーニングであろう。ただ、太陽光が直接もしくは間接的に強く差し込む箇所は微生物の着生が以前と同様に認められた。 石材表面にしばしば形成される白色繊維状物質の経時変化と地衣類の着生状態への影響を調べた。また、過去に実施したコレトレール塗布の効果を検証するために、12ヶ所の試験箇所を特定した上で地衣類の発生状態などに関して、21年目の記録を取得した。またWASH処理した石柱2箇所から粘着フィルムで微生物サンプルを採取し、メタバーコード解析により経時変化を観察した。バイヨン回廊の含水率調査から、砂岩材の含水率は全体的には雨季に高く、乾季に低くなる傾向が見られた。 バイヨン外回廊レリーフ表面では、Pb含有量が新鮮な砂岩材と比べて数倍高いことが明らかになった。Pb同位体比測定を行った結果、Pbの起源がタイのソントー鉱山のPb同位体比と一致し、バイヨン期においては鉛の鉱石がタイから輸入されていたことが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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