2017 Fiscal Year Annual Research Report
Integrative study on gaze shift and visual object recognition dynamics in natural scenes
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17H01755
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宮脇 陽一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80373372)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 眼球運動 / 自然画像 / 脳 / 物体認識 / 時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、シーン画像観察時のヒト眼球運動計測実験を中心的に実施しつつ、シーン画像の特徴量解析を行った。この目標達成のため、以下の項目を中心的に実施した。 (1)シーン画像データベースを用いた実験設計:実験に用いるシーン画像を、大規模シーン画像データベースから選定した。画像データベースとしてはLabelMeデータベース(Russell et al., IJCV, 2007)を用いることを検討していたが、シーン画像中に写り込んでいる物体カテゴリの種類の数を大きくとる目的において必ずしも適切でない可能性が懸念されたので、新たに他の画像データベースを複数組み合わせて使うことで、この問題の解消を図った。また、被験者に課すタスクの種類の影響を考慮するため、自由観察課題と再認課題の双方を実施し、得られた結果を比較した。 (2)シーン画像に対する視線解析:眼球運動の計測実験を、赤外線を用いた眼球の画像計測によって実施した。全画像に対する注視順序のデータを統合し、注視順序傾向を定量化した。さらに、この傾向の類似性を多変量解析の手法を用いることで解析した。 (3)シーン画像からの画像特徴量抽出:注視順序傾向と画像特徴量との関係を、(1)で設計した新しい実験設計のもとで検証した。画像特徴量としては、眼球運動に関する従来研究でよく用いられるsaliencyに代表される低次特徴量に加え、(1)で選定したシーン画像から抽出した高次画像特徴量も解析対象とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に予定していた本年度の目標は概ね達成され、注視順序傾向に関する興味深い結果が得られ始めている。これらの結果の再現性を確認でき次第、本研究課題の最初の投稿論文として公刊する目処も立ちつつある。以上の状況を踏まえ、「(1)当初の計画以上に進展している」の評価が妥当であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまで着した研究課題を継続しつつ、開発した手法ならびに得られた知見に基づきながら、シーン画像の特徴量と注視順序傾向の関係性の解析に順次移行する。またシーン画像観察時の脳活動解析にも着手する。この目標達成のために、以下の項目を順次実施する。 (1)注視順序に関連する画像特徴量の同定:注視順序と画像特徴量のあいだに有意な関係性があるのかどうかを、古典的な分散分析の方法に加え、多変量解析の方法を用いて検証する。 (2)シーン画像に対するヒト脳磁場(MEG)および機能的磁気共鳴画像(fMRI)の並行計測実験の実施:これまで行動実験に用いたのと同様のシーン画像を観察した際の脳活動をMEGおよびfMRIを用いて計測する実験に着手開始する。特に、MEG計測実験と光学的眼球運動装置の併用について、技術的検討を加え、可能であればこれらを併用する新しい実験系を設計する。 (3)シーン画像に対するヒト脳磁場信号源推定解析の実施:(2)で計測したMEG信号とfMRI信号を組み合わせることにより、高時空間分解能で、シーン画像観察時のヒト大脳皮質上神経電流分布を求める。求めた神経電流分布の精度評価を行い、神経電流分布における画像情報表現解析のための準備を進める。
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Research Products
(10 results)