2018 Fiscal Year Annual Research Report
Theory of operator manifold and its application to pattern recognition
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17H01760
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 幸彦 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (90220350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 将 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90334515)
田中 聡久 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70360584)
鷲沢 嘉一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10419880)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 作用素多様体 / 局所等方独立 / 機械学習 / 信号処理 / パターン認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
正則化カーネル法を用いてマハラノビス計量の求める計算にノイマン境界条件を導入し,安定な収束を確認した。また,作用素多様体理論のために,接ベクトル空間と余接ベクトル空間の和空間の理論を構築する中で,共変微分作用素に対する共変微分の定義を与えた。そして例えば,接続を4次元ベクトルポテンシャルとすれば,そのライプニッツ則と局所等方独立性からマックスウェル方程式の電磁場に関する式を導くことができることを示した。パターン変形を作用と考えるパターン認識では,その初期値を高速に求める手法を開発し,その有効性を示した。 情報理論的機械学習は非常に有用な方法であるが,正負両方のラベルが付いたデータを集めることが困難な場合がある。そこで,正のラベルとラベルなしデータだけから情報量を推定する基礎的なアルゴリズムを開発した。また,訓練データとテストデータが異なる確率分布に従うとき,空間の構造を利用した距離尺度を用いた分布間の距離をドメイン適応に適用し,その有効性を示した。 多チャンネル信号はその共分散行列によりリーマン多様体上の点として表現できる。しかし,このことで信号のもつ時間情報(時間方向の統計量)が消えてしまい,これが多様体上でのクラス分類性能を低下させることを突き止めた。そこで,信号を狭帯域信号に分割し,それぞれの共分散行列で信号の時間方向の相関を表現し,その分離可能性を相互情報量で評価し,有効な帯域のみを利用する方法を提案した。これをブレイン・コンピュータ・インタフェースに適用し,有意な識別性能向上を確認した。 IoTなどからの表現が冗長なデータから,特徴抽出器と識別器を同時に設計するスパース表現分類器において,従来から用いられる2乗誤差は識別に最適な評価基準ではない。そこで,多クラスヒンジ損失関数をスパース表現分類器に適用した。最適化アルゴリズムを提案し,その性能を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って開発した正規化カーネル関数を用いたマハラノビス計量を求める計算手法によって,これまで発散していた計算が収束するようになったこと。また,共変微分作用素に対して与えた共変微分の定義が,例えばマックスウェル方程式の電磁場に関する式を導くことができるなど,自然な定義になっていると予想されること。そして,パターン変形を作用と考えるパターン認識では,画像にボケなどの劣化を加えたときに,従来手法よりも安定して初期値を求めることができたこと。この初期値を求める手法のために開発した技法は,画像処理における様々な目的のために拡張可能で,GPUによる計算に適するため,画像認識に関する汎用的な前処理のための技法に発展できること。 さらに,ドメイン適応に関する論文が,人工知能分野におけるトップ国際会議の一つであるAAAI2019に再録されたこと。神経工学におけるトップジャーナルである Journal of Neural Engineering に採択されたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
正規化カーネル関数を用いたマハラノビス計量を求める計算手法では,微分の計算に正規化カーネルを使う方法と座標格子点上の値の差分を使う方法とで差異が生じるが,その差異の影響に関して調べる。また,マハラノビス計量を固有値分解してして得られる固有ベクトルを接ベクトルとする曲線は一般には測地線にはならないが,それが測地線になる場合や,そのための条件に関して研究する。さらに,接ベクトルと余接ベクトルの和空間に関して,係数体の定義を拡張して,高階の微分方程式に対応することができる理論に関して研究する。 本課題の研究の成果の一部を現実の場面で活用するため,パターン変形を作用と考えるパターン認識に対して初期値を求める手法のために開発した技法を画像認識の様々応用に適用する。例えば,サブサンプリングをしないSIFT (Scale Invariant Feature Transform)や,画像のコーナーをより正確に捉えるコーナー検出などの特徴点抽出などに応用する。 そして,ドメイン適応における距離尺度の定義を更に改良し,より精度の良い実用的なドメイン適応アルゴリズムを開発する。チャンネル間だけでなく,時間方向の統計量を多様体で表現する方法を検討する。
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Research Products
(5 results)