2020 Fiscal Year Annual Research Report
複数の振動刺激を用いて人間の運動修正を誘発させるウェアラブルデバイス
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17H01770
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平田 泰久 東北大学, 工学研究科, 教授 (20323040)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ウェアラブル機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,変化する環境情報の計測・モデル化に基づく環境適応型運動修正の実現を目指して研究開発を行った.特にゴルフのパッティングの訓練に注目し,プレーヤーとゴルフグリーンに存在するピンの位置関係から,適切なパッティングを行うために最適な目標フォーム(打ち出し角度,打ち出し強さ)を推定する技術を構築した.そして,前年度までに開発してきた振動デバイスを用いて,実際にパッティングしたときにフォームと目標フォームの違いを実時間で提示する手法を開発し,練習を重ねることによってより理想フォームに近い動作ができるようになるシステムを開発した.具体的には,各種センサを用いて環境情報を取得し,環境情報のモデル化を行った.これにより,パッティング環境におけるピンまでの距離や傾斜等に応じて,目標のフォームを自動的に導くことが可能となった.また,ヒトのパッティング動作のモデル化を行い,理想フォームの目標値を定量的に決定する手法を開発した.さらに,複合現実を実現できるヘッドマウントディスプレイを用いることで,実空間に目標となるパターヘッドの軌道や,目標フォームで打ち出したときに,ボールがどのように転がるかなどを示すことが可能となった.また,それらの情報を外部環境から第三者視点でも見ることができるシステムを開発し.実際に訓練を受けている人がどのような複合現実情報を見ているのかを把握することができるようになり,訓練者自身だけでなく,第三者も間接的な訓練を受けることが可能となる道筋をつけた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目的は,スポーツのような動的な運動において,その目標フォームを効果的に学習することである.本年度は,複合現実を用いた運動教示デバイスを用いることにより,変化する環境情報の計測・モデル化に基づく環境適応型運動修正が実現できることを確認し,最終目的達成のための着実な成果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,環境情報に応じて人がより動的に運動することを可能とする運動教示システムの開発を目指す.初めに,陸上競技場のような広い場所において,カメラを搭載したドローン等で走行レーンを計測し,そのレーンに沿って人が走行することを支援する.画像データから対象者の自己位置と走行レーンを検出し,これまで開発してきた振動型ウェアラブルデバイスによって目標方向に対象者をガイドすることを目指す.これにより,視覚に障がいがあるような方であっても,他のパートナーの助けを借りることなく走行することが可能となる.また,より技能を必要とする運動教示を実現するために,プロジェクターによって地面に投影された映像と振動型ウェアラブルデバイスによる目標方向運動提示の両方を用いることで,ダンスの足運びといった技能を必要とする運動を教示するシステムを開発する.さらに,集団スポーツや集団でのダンスといった複数人の同期した運動が必要となる動作を,複数人に取り付けられた振動型ウェアラブルデバイスによって運動教示が実現できるか検討する.
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