2018 Fiscal Year Annual Research Report
変形と固着滑り分布の物理計算に基づく力触覚的質感提示を有するバーチャルリアリティ
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17H01774
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 晶一 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (10323833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三武 裕玄 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30613939)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / ハプティックレンダリング / 動力学シミュレーション / 時変摩擦係数 / 局所剛性行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
30年度は、分布モデルのシミュレーションに必要なFEMの高速シミュレーション手法とGMSモデルを中心に研究を進めた。 我々は、接点をグループに分割しグループごとにローカル座標系での剛性行列を保持するLocal FEMを提案している。30年度にLocal FEMに疎行列に適したデータ構造を導入し計算量を評価したところ、一つの局所剛性行列の接点数を増やした場合に、剛性行列の境界部分の接点数が減少するため高速化できることがわかった(密行列では一つの行列のサイズが増えることで積算に時間を要し低速化していた)。一方、境界部分の接点のPosition based dynamicsの計算では繰り返しが必要であり、提案手法では、繰り返しに剛性行列との積算が含まれるためボトルネックとなっているため、この部分の工夫が課題となっている。
また、分布摩擦モデルを再現するためのGeneralized Maxwell-Slip(GMS)モデルを試作し、単体で3自由度力覚インタフェースとつないで実験したところ、同一パラメータでは全体が同時に滑りはじめてしまった。現実には指腹の接触領域の外側から滑り状態に変化するプリスライディングが生じるが、これを再現するためには、圧力分布の再現が必要であり、GMSモデルと指の変形を錬成させる必要があることを確認した。最終的にはLocal FEMを用いてシミュレーションしたいと考えているが、この段階では変形をパーティクルベースの変形モデルで計算し、パーティクルの接触点毎に摩擦モデルを用意することを考え、試作を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プリスライディングの再現が予定通りに進んでいないが、課題は確認できている。またLocal FEMの高速化については、当初見通せていた標準的な手法で、計算量のオーダーとしては目標を達成しており、今後、精度とのバランスを見ながら工夫を加えることで解決できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
分布摩擦を再現するためのGeneralized Maxwell-Slip(GMS)モデルと、Local FEMによる変形モデルを錬成させ、プリスライディングを再現することをめざす。 Local FEMの高速化を進めるとともに、GMSモデルと接触計算をLocal FEMによる変形シミュレーションに組み込むことで、錬成を実現する。 これにより、プリスライディングを再現し、その結果生じる振動を指先に提示する。提示振動と主観として得られる材質感の関係を調査することで、分布摩擦モデルで提示可能な質感の範囲を調査したい。また、これを組み込んだVRシステムを実現したい。
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Research Products
(7 results)