2017 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding and controlling information propagation in multilayer networks
Project/Area Number |
17H01785
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 剛志 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (90242289)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多層ネットワーク / 情報伝搬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「多層ネットワークにおける情報伝搬の解明と制御」では、複数の関係性で構成される多層ネットワークに注目する。各層のネットワークの構造やそれらの相互作用を分析することによって、多層ネットワークにおける情報伝搬を解明するだけでなく制御する手法を開発することを目標とする。平成29年度においては以下の研究を行った。
(1)ネットワーク上での感染を防ぐgraph protectionについては、ネットワークG=(V,E)と整数kが与えられたときに、ネットワーク上での伝搬を最小にするよう、保護する頂点集合S(|S|=k)を求めるgraph protection problemの研究を行った。単一層のネットワークに対して、感染に先んじて保護する頂点を選ぶpre-emptive戦略として、隣接行列の最大固有値に注目したGraphShield手法を提案し、その論文は国際会議ASONAM 2017に採択された。 (2)制約付きコミュニティ抽出手法の多層ネットワークへの拡張については、これまでやってきた単一層ネットワークにおけるコミュニティ抽出に対して制約を付与する手法を、多層ネットワークに拡張した。ハミルトニアンを拡張しある層における2頂点の所属コミュニティについて制約を与えると、他の層におけるコミュニティ構造も変化することが示された。この論文は国際会議SocInfo 2017に採択された。 (3)多層ネットワークのnetwork embeddingについては、ネットワークをベクトル表現に変換するrepresentation learningの手法を多層ネットワークに拡張した。各層ごとの違いを表すlayer vectorを導入することによって、リンク予測などのタスクにおいて既存手法よりも高精度のnetwork embeddingを実現した。この論文は国際ワークショップMATNet 2018への採択が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究「多層ネットワークにおける情報伝搬の解明と制御」において、多層ネットワークのnetwork embeddingによって層ごとの類似度を得るための指針が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の成果をもとに、特に、(1)ネットワーク上での感染を防ぐgraph protectionと(3)多層ネットワークのnetwork embeddingの発展について重点的に研究を進めていく。
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Research Products
(4 results)