2019 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding and controlling information propagation in multilayer networks
Project/Area Number |
17H01785
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 剛志 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (90242289)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 多層ネットワーク / 情報伝搬 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)グラフ畳み込みネットワークにおいて、グラフの近傍の情報と大域的な情報とを共に用いることで、学習性能を向上させる方法を開発し、2019年6月に人工知能学会研究会優秀賞を受賞した。(2)グラフニューラルネットワークを用いて、与えられたネットワークのbetweenness中心性の計算を高速近似する手法を開発し、採択率21%の国際会議CIKM 2019に採択された。 (1)グラフ畳み込みネットワークは層の数を増やすと精度が大きく落ちてしまう。また、学習ラベルの数が少ない場合に、他の手法に比べ精度が大きく下がってしまうことがわかっている。そこで本研究では、従来のグラフ畳み込みネットワークの学習に加えて、グラフの構造特徴を保持する学習を同時に行う手法を提案した。グラフ畳み込みによるノードのラベル推定タスクの学習に加え、構造特徴を保持する学習を同時に行うことで、ノードの近傍情報とグラフ全体の構造の両方を考慮した学習が可能になる。半教師あり分類問題において、提案手法は既存手法と比べて高い精度を得ることを示した。 (2)betweenness中心性はネットワークの情報伝搬における影響力の高い頂点をみつける上で重要な尺度である。しかし、betweenness中心性の正確な計算は計算コストが高い。提案されている近似手法も、非効率であったり、精度を犠牲にしたものであったり、その両方であったりする。この研究では、Graph Neural Network(GNN)ベースの近似手法を提案した。具体的な改良点として、(a)畳み込みの際の特徴凝集を流入方法と流出方向に分けて計算し、(b)頂点自身の特徴を使わずに凝集し(c)最短経路上にない頂点を検出し、隣接行列における対応する行要素と列要素を零にした。人工データおよび実データを用いた実験で、他の手法と比べて精度および計算時間の両方で優れていることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多層ネットワークおよびグラフニューラルネットワークに関する成果が出つつあるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、複数の関係性で構成される多層ネットワークに注目する。各層のネットワークの構造やそれらの相互作用を分析することによって、多層ネットワークにおける情報伝搬を解明するだけでなく制御する手法を開発することを目標とする。
|
Research Products
(3 results)