2018 Fiscal Year Annual Research Report
モジュール性を有するニューロ進化に基づく創発デザインに関する研究
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17H01795
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊庭 斉志 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (40302773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 禎彦 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (20512354)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 進化計算 / 遺伝的アルゴリズム / 遺伝的プログラミング / 遺伝子ネットワーク / 動的適応系 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の研究では,モジュラ性を有するニューロ進化の有用性を検証した.検証法としては,各種ベンチマーク問題に適用した進化の結果に関して階層的な繰り返し構造が得られるかを解析した.モジュラ性によって,ニューロ進化の時間的な発達過 程で情報が再利用でき,新しい構造を展開できると期待される.それにより,従来の人工物設計に伴う困難さ(部分解から全体の解が適切に得られない点や環境の変化にロバストに適応できない点)を解決を試みた.この点に関して,具体的には(1)ヒューマノイドロボットの動作生成、(2)X線画像による危険物検知、(3)群ロボットによる協調搬送、の3つの項目について実験的に検証した。 ヒューマノイドロボットの検証実験ではモジュラ性を有するニューロ進化の有用性を確認することができた。より詳しく言えば、従来困難とされていたバク転やローラーコースターでの滑り動作を遺伝子ネットワークに基づいて合成し、実機上で安定して動作することを検証できた。 X線画像による危険物検知については、ニューロ進化にもとづいてペットボトル、ナイフ、はさみなどの危険物の検出率を従来手法から向上させることに成功した。これは自然画像で得られる訓練データでの学習結果をX線画像の認識に適応して学習させるという転転移学習の枠組に基づいている。ニューロ進化を転移先のドメインでの再学習に適用することでX線画像のような訓練例の少ない分野での画像認識を可能にする枠組を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロボティクスや危険物探知への応用を通じて,各種設計問題における工学的準最適化問題に適用することができた.とくに,モジュラ性の知能創発に基づく, 1.学習後の部分解の再利用, 2.学習結果からの知識抽出, 3.ニューロ進化の構造を用いた依存関係推定, について実証的に検証し,提案手法の有効性について評価することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
ロボティクスや危険物探知における実証的な検証を引き続き行う。 そのほかに実際的な応用として,Webインテリジェンスの代表であるWWW情報検索の課題に対して検証を行う.さらに,リアルタイム性が要求される金融市場に対する戦略を,創発デザインに基づいて自動生成することを試みる.金融工学における実問題の解決のためには,価格変動の予測だけでは十分でない.より重要なのは,状況を的確に判断する戦略の獲得である.具体的には,過去の経験をもとにした売買タイミングの生成や,手持ち資金の制約に依存した運用ルールの構築が不可欠である.これは典型的な制約付き問題解決となっている. これらを通じて提案手法の頑強性,汎用性,効率性について評価する.
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