2017 Fiscal Year Annual Research Report
Application of supramolecular graph system to GWAS analyses
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17H01818
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
白井 剛 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (00262890)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生命分子計算 / 生体超分子構造 / ゲノムワイド相関解析 / 分子間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の成果として、これまでに開発したグラフによる超分子モデル構築とGWAS(全ゲノム相関解析)データを組み合わせた解析を行い、成果を論文として公表した(Scientifc reports, 7, 8541, 2017)。この論文では、構築された4,500あまりの超分子複合体の構造モデル上に19,887個のヒト疾患関連変異をマッピングし、劣性遺伝変異はタンパク質内部に埋没するのに対し、優性変異はサブユニット間/ドメイン間のインターフェースに有意に多いことが示された。また優性型変異をdominant-negative(DN), haploinsufficiency(HI), gain-of-function(GF)に分類して比較したところ、DNは超分子構造の破壊、HIはDNA相互作用、GFはドメイン間相互作用にバイアスしていることが示された。すなわち、DNは構造破壊により機能を阻害、HIは転写制御レベルで機能を阻害、GFは機能的に重要なドメイン再配置を妨げることで阻害する傾向があることが示唆された。また、超分子複合体内の複数のサブユニットに同一GWASデータがマップされるモデルを探索したところ、1,226個の統計的に優位な疾患関連モデルが選抜された。特に同一超分子複合体に複数のGWASがマップされている場合には、複合疾患に関与したり、逆にある疾患に罹患した場合に他の疾患にかかりにくいなどの事例が認められた。さらに、疾患変異がマップされる複数のサブユニットと相互作用していながら、自身には疾患関連変異も疾患に関連したアノテーションも付与されていないサブユニットが多く存在することが示されたことから、未発見の疾患関連遺伝子の予測に応用可能と予想される。よって平成29年度の成果から、これらの超分子モデルが新規の疾患関連遺伝子や創薬ターゲットの探索に利用できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超分子モデルの構築とGWASデータの対応データを作成し、分子間相互作用との相関を解析し、論文報告を行ったことから、おおむね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれらの結果を、遺伝子発現データベースExpression Atlas(https://www.ebi.ac.uk/gxa/download.html)の組織特異的あるいは状態依存発現データを組み合わせることで、本研究の主目的である超分子構造の動的変化の情報を実装して超分子ネットワークグラフを拡張する。具体的には、現状のグラフエッジ(超分子サブユニット間の相互作用)に、発現している組織、発生段階、薬の処方など条件の違いの情報を加えることで、超分子モデルの時間変化および状況による組成変化を表現できるように改良を行う。また平成29年度の成果として示された、同一超分子複合体にマップされる複数のGWASの解析から、複合疾患や排他的疾患の解析に応用する方法、および疾患関連超分子複合体内でGWASがマップされないサブユニットの解析から、新規疾患関連遺伝子の予測を行う方法も引き続き探求する。このようにして拡張された超分子ネットワークグラフを疾患メカニズム解析に応用し、得られた結果を取りまとめて学会発表や論文報告を行う。
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