2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H01847
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
浜中 雅俊 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, チームリーダー (30451686)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 計算論的音楽理論 / 音楽理論GTTM / 深層学習(deep learning) / 音楽操作 / 蓄積と再利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
深層学習に基づく新たな音楽分析器を構築した.GTTMの分析は,グルーピング構造分析,拍節構造分析,タイムスパン木分析の順に進むが,グルーピングと拍節構造を深層学習により自動獲得することに成功した.また,グルーピング構造を獲得するネットワークと拍節構造を獲得するネットワークを結合して一つのネットワークとしてマルチタスク学習すると,性能がさらに向上することが確認された. 正解データを効率的に作成するエディタを開発した.これまで開発した分析ツールは,楽譜は五線譜ではなく,横軸が時間,縦軸が音高となっているピアノロール譜面で構成されていた.本年度,五線譜を用いた分析ツールを開発した.これにより,音楽家が楽曲を分析し,分析結果を入力する作業が大幅に効率化された. プロの音楽家による正解データの蓄積を行った.先行する科研費プロジェクトで8小節の長さの300曲の正解データを作成したが,深層学習を用いてタイムスパン木の抽出を可能とするため,さらなる分析データの拡充を行っている.現在,32小節の長さの50曲の正解データの作成に着手している. ポリフォニ版のGTTMを検討した.オリジナルのGTTMの分析は,モノフォニーおよびフォモフォ二に対応しており,ポリフォニの分析はできない.アイマークカメラで記録したポリフォニーからフォモフォ二への編曲作業を逆にたどることで,ポリフォニのGTTM分析を行う手法を確立した.ポリフォニのGTTM分析データの蓄積を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り順調に進捗している。特に,音楽家による正解データの作成は当初1名の音楽家に依頼する予定であったが,3名に分担いただけることになり大幅に予定を上回るペースで進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
正解データの蓄積を続け,深層学習に基づき高度な音楽分析を自動で達成する分析器の構築を進める.
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