2017 Fiscal Year Annual Research Report
サイドスキャンソナーと画像解析を組み合わせた海底質の面的モニタリング手法の開発
Project/Area Number |
17H01859
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西嶋 渉 広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 智司 広島大学, 工学研究科, 教授 (80313295)
大野 正貴 広島大学, 環境安全センター, 助教 (40781216)
長尾 正之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (70251626)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 底質判別 / サイドスキャンソナー / 画像解析 / 粒度分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
移動性が小さい底生生物は底質環境に大きく依存して生育しており、底生生態系の基盤となる底質環境、とりわけ粒度分布に代表される物理環境の面的な把握は底生生態系研究の鍵を握ると考えられる。しかし、海底の底質環境の調査は困難でであるため、瀬戸内海を例にとるとモニタリング地点は90 km2 に1 地点であり、多様性の高い浅海域底質の面的モニタリング手法の開発が切望されている。本研究では、粒度分布に焦点を絞り、分析に多大な時間と労力がかかる従来の篩法に代替する手法として、底質海底画像からの粒度分布測定手法を開発すると同時に、そのデータを使用して数百m 幅の音波を扇状に発信できるサイドスキャンソナーの反射強度データを粒度分布に変換するアルゴリズムを開発し、面的モニタリング手法を開発することを目的とする。 写真画像からの底質の粒度分布を判別する技術を開発するため、粒子としての判別が困難なシルト・クレイ含有率を背景処理によって求める技術の開発を行った。その結果、Image Jソフトを用いて灰黒色の色調を持つシルト・クレイ粒子を明度の高い砂以上の粒子と識別し、その含有割合を算定することが可能となった。また、水中で底質画像を得るための撮影装置を製造した。撮影装置ではカメラと底質の距離を一定にとり、底質表面の凹凸によるフォーカスのブレを抑制するためのアクリル板に設置によって画像解析に耐え得る鮮明な画像を撮影することができた。 サイドスキャンソナーによる底質判別では、広島県竹原沖でサイドスキャンソナーを用いた調査を行い、当該海域の反射強度データを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像解析による底質粒度分布の解析は順調に推移しており、シルト・クレイ粒子を他の砂以上の粒子と分離することが可能となり、当初の目的を達成している。また、画像撮影装置についても画像解析に必要な鮮明な画像が得られた。 サイドスキャンソナーによる底質判別については、当初予定していた広島県海域環境フォローアップ調査によって得られたマルチビームによる水深データとサイドスキャンソナーから得られた音波の反射強度データは、アルゴリズム作成のためのデータとしては強度が小さかったが、昨年度独自調査を行い、解析に耐え得るサイドスキャンソナーの反射強度データを採取したため、当初計画通り研究は進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
画像解析については、手法の開発および海底画像撮影装置の開発はほぼ終了したので、今年度以降様々な粒度分布の海底質で誤差の評価を行い、本技術の信頼性を明らかにする。また、実際の海底画像を撮影し、実用性を評価する。 サイドスキャンソナーによる底質判別については、独自調査で得られた音波の反射強度データを用いて底質判別アルゴリズムを構築し、画像解析の結果と照合しながら、解析精度を高めていく。
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Research Products
(1 results)