2017 Fiscal Year Annual Research Report
Groundwater environmental change due to 2016 Kumamoto Earthquake
Project/Area Number |
17H01861
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
細野 高啓 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (30367065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森村 茂 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (20230146)
谷水 雅治 関西学院大学, 理工学部, 教授 (20373459)
中田 晴彦 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60311875)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 熊本地震 / 地殻変動 / 水循環 / 地下水 / 安定同位体比 / 水位変動 / 物質移動 / 菌叢解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
熊本は日本随一の地下水都市であり、極めて密な地下水観測網を有する。我々のグループはこれを利用し、以下の班を設けることで、熊本地震による地下水流動変動と水質変化機構の解明に挑戦する。初年度であるH29年度は各班について以下のような研究を計画・実施した。
水位班:観測井戸地下水位データを4つの異なる管轄(国交省、熊本県、熊本市、上下水道局)からそれぞれ入手することを計画し実施した。得られた水位データは、国土地理院の地震後の標高データを基に地盤沈降の影響を補正し、震災前後1年間分の地下水位データを全て収集・整理した。水質班:H29年度は地域に分布する100を超える地点で採水を行うと同時に、異なる行政管轄(国交省、熊本市、上下水道局)から水質観測データを入手することを計画しこれを実施した。地震予知班:熊本平野、南阿蘇、九重地域の3つの地域で地震前後の時系列水試料を収集することを試みた。このうち、南阿蘇と九重地域の2地域については実施できたが、熊本平野ではそのような試料を採取することができなかった。これとは別に、地震前の水位変動を解析するためのデータ抽出を試みた結果、一部の井戸で地震前の変調が検出された。新湧水班:熊本平野と阿蘇市狩尾地域において地震後に湧出した新湧水を対象として月に一度の採水を実施し、水質分析と同位体分析を計画しこれを実施した。その結果、阿蘇市狩尾地域において地震活動によって湧出した深部流体の存在が明らかとなった。一方、熊本平野において出現した湧水は人的なものであった。微生物班:地震以前の地下水中の菌叢特徴が分かっている代表地点において、地震後に比較できるデータを抽出するため同地点におけるサンプリングと分析を計画し、それを実行した。汚染班:水質班ならびに微生物班と連携して、基本水質の変化から汚染に関連する項目をピックアップして実態の調査を計画し、これを実行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた各班における実施計画は全て実行し、それに対する結果も整理されてきた。論文化を目指した原稿執筆も精力的に進めており、当初の達成目標を上回る結果と高いモチベーションで研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
水位班:本年度は得られた水位データに基づき水位変化を及ぼしたメカニズムを解明し、論文化に着手する。また、水位変化についての統計的解析を実施する。水質班:今年度は得られた水試料の分析ならびに行政データの解析を進めながら、地震前後を比較できるデータを完備させる。地震予知班:南阿蘇と九重地域の2地域について得られた水質のデータを解析してみる。また、一部の井戸で検出された井戸水位に対する地震前の変調について、潮汐との関連性を踏まえて解析を試みる。新湧水班:前年度の結果を踏まえ、阿蘇市狩尾地域において地震活動によって湧出した深部流体の存在を論文で報告するとともに、その面的分布特性をより明らかにするため、地点数を増やして試料採取を実施する。微生物班:昨年同様、本年度も同地点において継続調査を実施し、地震後2年以降の推移を追跡する。汚染班:昨年度に引き続き、水質班ならびに微生物班と連携して、基本水質の変化から汚染に関連する項目をピックアップして実態の調査を継続する。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] Geochemical characteristics of new spring water occurred after the Kumamoto earthquake2017
Author(s)
Hosono, T.; Hashimoto, M.; Hartmann, J.; Louvat, P.; Bouchez, J.; Gaillardet, J.; Washington, K.E.; West, J.; Okumura, A.; Ide, K.; Sato T.; Takahashi, H.A.
Organizer
Goldschmidt 2017
Int'l Joint Research
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