2018 Fiscal Year Annual Research Report
生育環境に依存して変動する生物代謝に伴う同位体効果の支配要因を遺伝子解析で調べる
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17H01869
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
川口 慎介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 研究員 (50553088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 早苗 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 技術スタッフ (70512911)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 安定同位体効果 / トランスクリプトーム解析 / メタン |
Outline of Annual Research Achievements |
安定同位体組成は環境動態解析指標として広く利用されている。本研究では、安定同位体指標を適切に利用するため、天然環境で起こりうる安定同位体組成の変動要因を把握することを目的に、メタン生成古細菌を培養するとともに、培地における同位体システマチクスの定量および発現遺伝子の解析を実施する。2018年度までに実施したメタン菌の分離株Methanothermobactor thermautotrophicusΔHの培養により採取した気体試料について、安定同位体システマチクス分析(水素ガス・メタン・二酸化炭素のそれぞれ炭素安定同位体比・水素安定同位体比)の実施を試みた。またMethanothermobactor thermautotrophicusΔHの代謝の進行を確認するため、気体試料に含まれる水素ガスおよびメタンの気相分圧の分析を進めた。さらに培養において、各成長段階におけるRNA発現量を確認した。具体的には菌の計数(培地中の数密度の算出)およびRNA分子収集を行った。しかし菌数とRNA量の関係に予期したものと異なる傾向が見られ、当初の計画通りに進めると一部の条件で遺伝子解析に十分なRNA量を確保出来ないことが想定された。このため培養条件を検討し、十分なRNA量が収集できる培養条件の探索を行った。この間、トランスクリプトーム解析における技術的な課題あるいは解釈における注意点について国内の専門家と議論を重ねた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前に計画した培養条件では、一部条件で遺伝子解析に十分なRNA量を確保できないと想定され、遺伝子解析を進めることが困難となると考えられた。十分にRNA量を確保する条件を検討し、各成長段階におけるRNA発現量の変動パターンを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの培養で採取した気相試料中の各気体成分の安定同位体組成の分析を行う。
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