2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of synthesis and maintenance of reduced solid humic substances functioning as energy source for anaerobic microorganisms remediating the environment
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17H01899
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 新太 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (60185808)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞外電子伝達物質 / 固体腐植ヒューミン / 電気抵抗 / 電気容量 / 嫌気性PCP脱塩素菌 / 固体腐植ヒューミン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度では、固体腐植ヒューミンの電気化学的解析、酸化還元に伴う化学構造変化の解析、ヒューミン酸化還元に関与する微生物の解析を行った。 固体腐植ヒューミンの電気化学的解析では、電気化学インピーダンス法による測定をおこなった。ナイキストプロットから等価回路を推定し、固体腐植ヒューミンの電気抵抗と電気容量を求めた。電気容量は、主に有機画分にみられた。固体腐植ヒューミンの酸化還元中心となる有機官能基は一つ一つバラバラに存在しており、その間は非導電性であることが推定された。細胞外電子伝達には水(プロトン)の電気輸送が推察された。 また、固体腐植ヒューミンの酸化還元条件下での構造変化の有無を、シンクロトロン光によるXPSのC1s測定およびXAS測定(C, N, Fe, Si, O)を行った。しかし、酸化還元による構造変化は不明瞭であった。引き続き、測定を進める予定である。なお、XPS測定では、固体腐植ヒューミンの非導電性によるチャージアップの結果起こるスペクトルのエネルギー位置のシフトのため、データ解釈が難しかった。そこで、固体腐植ヒューミンを銅粉末とともにペレット化する試料調製法を開発し、測定試料の導電性を高めシフトを最小限にすることに成功し測定を可能とした。 固体腐植ヒューミンを還元する微生物群として、炭酸水素イオンをpH緩衝剤とし、水素を電子供与体とする固体腐植ヒューミン依存性ペンタクロロフェノール脱塩素微生物群の群集構造を次世代シークエンサーによる16SrRNA遺伝子部分配列に基づき解析した。酸化型の固体腐植ヒューミンの存在下、水素無しでは嫌気性ペンタクロロフェノール脱塩素反応は観察されなかった。一方、還元型の固体腐植ヒューミンを用いたところ脱塩素反応が進んだ。ホモ酢酸生成菌により生成される酢酸を電子供与体とし、固体腐植ヒューミンを電子受容体としている微生物群が含まれていることが推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の平成29年度に実験方法の細かい手順の不確かさのために試行錯誤に時間を費やしたが、2年目の平成30年度では測定方法・培養方法が確立されて、データを多く得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、固体腐植ヒューミンの電気化学的特性評価を行うとともに、固体腐植依存性ペンタクロロフェノール嫌気脱塩素菌の活性が安定してきたので、固体腐植ヒューミンの酸化還元電位を変えた集積培養を行って、固体腐植ヒューミンの機能する電位を明らかにするとともに、微生物群集構造解析を行って解析する。
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Research Products
(9 results)