2017 Fiscal Year Annual Research Report
Sustainable usage of regional woody biomass considering environment
| Project/Area Number |
17H01924
|
|---|
| Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
|---|
Principal Investigator |
大場 真 国立研究開発法人国立環境研究所, 福島支部, 室長 (90462481)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸川 卓哉 国立研究開発法人国立環境研究所, 福島支部, 研究員 (00595928)
藤井 実 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会環境システム研究センター, 室長 (20323537)
安田 肇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究グループ付 (20358203)
中村 省吾 国立研究開発法人国立環境研究所, 福島支部, 研究員 (40742432)
村上 高広 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (70335107)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | 福島県三島町 / 奥会津 / 分散型エネルギー / ガス化炉 / 技術インベントリ / 経済波及効果 / 地域循環 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
エネルギー利用に関する世帯アンケート、事業者の森林利用やエネルギー事業に関する調査を行った。世帯アンケートでは薪を利用している世帯が多いことを示した。また三島町内の住宅において7軒に設置した地域ICTシステムによって家庭における時間別のエネルギー消費量や太陽光パネルによる発電量等に関する基礎的データを取得した。また2050 年までの人口動態を予測した。
統合木質バイオマス利用モデルBaIMによって、奥会津5町村におけるいくつかの森林管理シナリオ下の森林資源量、伐採可能量を2080年まで推計した。同時に木質バイオマスの生産コストを林班ごとに計算し、コスト制約下での可能供給量を推定した。また有効炭素蓄積速度を定義し、森林利活用がもたらす低炭素効果を測定した。
研究分担者らがこれまで開発してきたバイオマスガス化実験施設を拡張し、ガス化に供する原料の水分調整を実施した場合や未利用材の利用がガス化反応挙動に与える影響を明らかにする研究を着手した。生成ガスおよびタールの発熱量測定や成分分析について、実験施設の整備と基礎的な実験を実施した。
これまで開発した地域特性に応じた分散型エネルギーシステム設計プロセスのモデルのフレームワークによって、中山間地域での評価が可能な木質バイオマス資源に関連するシステムの拡張に着手した。太陽光発電等の代替的な再生可能エネルギーについても検討できるように拡張した。さらに、バイオマスのエネルギー転換に関する機器の情報を収集し、技術インベントリデータベースとして整備した。
地域の木質バイオマス資源の利用促進が地域の産業連関構造に与える影響を定量的に計測するため、関連する統計資料を収集した。また超小型ガス化炉の現地調査を行った。現地調査を通じて、三島町の物質・エネルギー循環および経済循環の実態を定量的に明らかにした。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
５つのテーマは目標とH29年度年次計画に従っておおむね進展している。平成29年8月に国立環境研究所と福島県三島町とで連携協定を結んだ結果、町全体として本研究への支援を受けている結果である。本研究の一部成果を「H29福島県スマートコミュニティ構築支援事業」におけるフィージビリティスタディへインプットした。またH30年度の三島町の施策としてバイオマス利用促進(町内施設における薪利用施設、木の駅、地域通貨の検討)が盛り込まれたことも挙げられる。
|
| Strategy for Future Research Activity |
H29年度の成果を受け、木質バイオマスを利用した設備や超小型ガス化炉を中心とした分散型エネルギーシステムの導入に向けた三島町の取り組みに貢献する。実際的な供給可能量を推定するため、現地での調査を行い、モデルの予測精度向上を狙う。ガス化に関する基礎実験を更に進める。より現実的なフィージビリティスタディへの学術的知見のインプットを行う。また検討されている地域通貨による森林管理とバイオマス利用の促進のための基礎となる地域環境経済的分析を行う。
|
