2017 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムの循環利用による環境調和型白金族回収システムの構築
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17H01925
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| Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
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Principal Investigator |
粕谷 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50509734)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛原 俊介 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (60604494)
寺門 修 函館工業高等専門学校, 物質環境工学科, 准教授 (90402487)
大橋 文彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (70356658)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 白金族 / LIB / 複合酸化物 / 分離精製 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
・ 正極活物質からの炭酸リチウム回収（仙台高専・葛原准教授）：原料価格が上昇しつつあるリチウムの廃材からの回収について、リチウムイオン二次電池(LIB)からの回収に特化したプロセス確立を検討した。LIB正極活物質モデルをAr雰囲気で焼成後、水浸出を行った後に蒸発乾固させることで再生リチウム塩を得た。その結果、Li浸出率(回収率)は最高で96%にも達し、目標値(Li回収率90%以上)をクリアできたことがわかった。
・ 模擬電解液の揮発条件探索および回収ガスの組成分析（函館高専・寺門准教授）：LIBに用いられる電解液の再利用と、電解液に含有されるフッ素処理プロセス確立を目的として、初年度は電解質のLiPF6に炭酸カルシウムを添加し、熱分解時に発生するフッ素をCaF2として固定する手法を検討した。バッチ式の反応を行ったところ、LiPF6:CaCO3のモル比1:4、反応時間5時間で50%程度のフッ素が固定できていることがわかった。
・ 不純物を含むリチウム塩と白金族との反応条件検討（産総研・粕谷）：リチウム塩として塩化物および水酸化物を用いた場合は、炭酸リチウムを用いた場合よりも複合酸化物の生成反応率が低下した。一方、葛原グループが回収したリチウム塩はほぼ単相の炭酸リチウムであり、精製なしで白金との複合酸化物を形成できた。また、複合酸化物ごと白金を100%塩酸に溶解させることができた。
・ モデル酸溶液を用いたリチウム吸着・濃縮実験（産総研・大橋）：白金族溶解・抽出後の残液を模擬したリチウム等含有酸溶液を用いてのリチウム吸脱着実験を行い、低環境負荷条件下においての吸脱着プロセスの最適化及び高効率化について検討した。その結果、模擬廃液からのリチウム吸着率は、共存他元素と比較して10倍以上であることを明らかとし、更にリチウムの高純度化に不利なナトリウムを大幅に排除できることを見出した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた実験を行い、概ね予想していたとおりの結果が得られたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
・ 廃LIB からの炭酸リチウム精製(仙台高専・葛原准教授)：企業から廃LIB の供与を受け、廃材からのLi回収を実施する。廃LIB から高純度の炭酸リチウムを精製するには、正極材回収時に不純物混入を抑制する必要がある。本研究では廃LIB を不活性雰囲気、減圧条件下、500℃程度で加熱することより、LIB の電解液を大気に晒すことなく回収を行う。
・ 廃LIB 中の電解液回収およびフッ素固定化処理（函館高専・寺門准教授）：LIB 電解質の加水分解により生じるフッ化水素酸などのフッ素系ガスの発生抑制の検討を行う。具体的には、模擬LIB電解液を対象とし、流通式反応系により生成するHF量の調査、塩基性酸化物によるHF生成の抑制を目指す。
・ 再生リチウム塩を用いる複合酸化物合成および塩酸溶解（産総研・粕谷）：葛原グループから供与された再生リチウム塩を用いて自動車廃触媒からの白金族回収を試みる。溶解後の残液はリチウム吸着、再資源化実験に供するため、電解析出法や沈殿分離法等を用いて白金族を除去する。
・溶解残液からのリチウム吸着実験（産総研・大橋）：実際に得られた白金族溶解後の残液を用いたリチウム吸着・濃縮実験を行う。無機イオン交換体を用いて、様々な条件を想定した環境下でのリチウム吸脱着実験及び回収リチウムの濃縮・精製を試みると同時に、カラム等に使用可能な形状への成形或いは樹脂との複合化について検討する。
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Research Products
(3 results)
