2019 Fiscal Year Annual Research Report
自然物の見えを考慮したLED照明デザインに関する研究
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17H01947
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
奥田 紫乃 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (60352035)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 環境デザイン / 照明 / LED / 色彩の見え / 質感 |
Outline of Annual Research Achievements |
人の肌の見えとLED照明条件との関係について、2018年度に実施した各種照明条件下における肌の色の見えに関する実験結果をCIE(国際照明委員会)にて発表し、素肌・化粧肌のいずれにおいても、PS(肌の色の見えの評価指標)を用いて「活気」の評価を予測することが可能であることを示した。2019年度は、リップカラーの異なる6種の顔画像データを生成し、さらにCIEで規定されている12種の分光条件下で顔を見るシミュレート画像を生成して、主観評価実験を実施した。その結果、分光条件が肌の見えの評価に大きく影響し、LED光源の選定には注意が必要であることが示された。現在、結果の詳細を分析注であり、結果の一部を2020年の色彩学会大会にて発表予定である。 食品の見えとLED照明条件との関係について、2017年度に実施した各種照明条件下における調理品の見えに関する実験結果をPangborn2019にて発表し、和食・洋食のいずれにおいても、5000Kの白色光下で「自然に見える」ことを示した。一方、「おいしく」見える照明条件は調理品の種類により異なり、刺身では5000K、豚肉の生姜焼きでは3000Kの条件下で評価が高いことを示した。 各種素材の見え方・質感評価について、2018年度に実施した布地の見え方についてECVPで発表し、LEDの指向性により布地の質感評価に大きく影響することを報告した。また、2018年度に実施した種々の内装材(石材、木材、レンガ)を対象とした実験結果について、2019年度の色彩学会大会、照明学会大会で発表し、内装材の種類と照明条件が色の見えや質感評価に影響することを示した。2019年度には、木質系内装材に着目し、照明の分光条件を様々に変化させながら、質感評価実験を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肌、食品、自然素材を視対象とした各検討について、主観評価実験の実施や国内外の学会における成果報告を行っている。2020年2月から3月に実施予定であった木質系内装材を対象とした主観評価実験については、COVID-19により研究協力者である大学院生が研究室に来ることができなくなったため、実施途中ではあるものの、2018年度までに実施した実験の成果を予定通り発表したことなども含め、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
人の肌の見えとLED照明条件との関係について、肌の色の見えには隣接色との対比が重要であることから、リップカラーが異なる場合の肌画像を生成し、各種照明条件下における肌の色の見えに関する主観評価実験を実施する。今年度は、2つの同種のディスプレイを併置し、2種の顔画像を比較しながら色の見えについてより詳細に回答させる予定である。 各種素材の見え方・質感評価について、2019年度に続き、種々の木質系内装材を対象として、照明の分光条件と質感評価との関係を明らかにすることを目的とした主観評価実験を実施する。さらに、実際の室内環境に適用可能な実験について計画する。 2019年度に実施した、リップカラーの異なる6種の顔画像データ、及びCIEで規定されている12種の分光条件下における主観評価実験の結果について、2020年の色彩学会大会にて発表する。また、木質系内装材の主観評価実験の分析結果について、IMRF(国際多感覚リサーチフォーラム)やAIC(国際色彩照明学会)等にて成果報告予定である。
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Research Products
(5 results)