2020 Fiscal Year Annual Research Report
Roadmap Proposal and Social Experiment of Welfare Urban Planning with Support System for Challenged Persons
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17H01948
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
古賀 元也 崇城大学, 工学部, 准教授 (30635628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 誠仁 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (60515782)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 車いす使用者 / まちなか回遊支援 / ワークショップ / まちづくり / 身障者支援 / 支援ツール / アプリ / 車いすナビ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は交通弱者がまちづくり活動を楽しめる取り組みとして,2018年にiPhone版アプリ「車いすナビ」を実用化している。車いすナビは,車いす使用者を現在地から目的地(店舗や身障者用トイレなど)までを案内するもので,その経路には最短経路に加え,「車いす使用者の評価の高い経路」を提示する。一方で,車いすナビの提示する経路,情報,検索機能や操作性など,公開後の車いすナビに対する検証は十分ではなかった。そこで2020年度では,車いすナビの検証を通じて,課題の整理,そして車いすナビの改良に取り組んだ。 車いすナビの検索機能,条件検索等について検証した結果,店舗検索ではカフェなどのカテゴリー検索,店舗名の入力で目的とする店舗を検索することができたが,一方で略称名や通称名による検索はできなかった。次に条件検索で「車いすでイートイン可能,事前連絡不要,いつでも利用可能,介助者不要,1階またはエレベーターあり」をフィルターにかけ,飲食店Tを目的地とした。そしてアクセシビリティを検証した結果,飲食店Tのあるビルにはエレベーターがあり,車いす使用者ひとりでお店に着くことができた。次に複数のテナントが入る大型施商業設内にあるスターバックスを検索し,車いすナビに従い店舗に向かった。この大型商業施設は入り口が複数あり,車いすナビで提示された入り口は目的とするお店に近いものの,階段があり,入店することができなかった。加えて施設内でのナビがない,施設内のテナントの検索ができないといった課題が見つかった。 車いすナビの改良については,4点である。①検索対象の店舗に大型商業施設,6施設の571店舗を追加した。②大型商業施設のフロアマップを作成し,車いすナビの店舗情報に追加した。③身障者用トイレ46箇所,車いす対応駐車場12箇所の写真を追加した。④検索機能の向上として,通称,略称で検索できるよう改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度はコロナによる影響で,福祉のまちづくりワークショップを開催できなかった。しかし,研究グループで開発し,実用化,公開したアプリ「車いすナビ」を検証し,問題点・課題を整理した上で,上記で述べたように以下の4点の改良に取り組んだ。 ①検索対象の店舗に大型商業施設,6施設の571店舗を追加した。②大型商業施設のフロアマップを作成し,車いすナビの店舗情報に追加した。③身障者用トイレ46箇所,車いす対応駐車場12箇所の写真を追加した。④検索機能の向上として,通称,略称で検索できるよう改良した。その結果,操作性の向上とユーザーに対してより有用な情報提供が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本研究課題の最終年度(5年目)となっており,これまでの研究成果を整理するとともに,次の新たな展開について検討する。そして,新たな展開に向けた基礎調査,基礎モデルの開発に取り組む。 車いすナビの今後の展開として,以下の4点を構想している。①整備案検討のシミュレーション:情報提供支援に加え,今後は,まちなかのバリアフリー整備を検討する際に,どこを整備すれば効果的であるか,整備案検討のシミュレーション・システムの開発に応用する。②全国展開に向けた汎用性タイプの開発:車いすナビの店舗情報の検索では,対象地すべての店舗情報(店舗名と座標)に加え,アンケート手法による身障者へのサポートの有無の情報を独自で収集しシステムに入力している。そのため開発者側に対する労力の負担は決して少なくない。今後,これらの情報を容易にシステムに反映させるため,各店舗側がシステムにアクセスし,基礎情報を入力できるような相互型システムのプラットフォームの開発に取り組む。③熊本版「車いすナビ」のユーザー拡大と機能追加:今後はお年寄り妊婦,ベビーカーを伴った家族連れ,身障者などに広げていく。また,バス,市電等の公共交通サービスによるまちなかへのアクセシビリティの利便性向上といった機能の追加に取り組む。④交通弱者の施設内移動支援:屋外だけでなく大型商業施設内においても移動支援を可能にするためAR技術を用いた施設内ナビの開発に取り組む。
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Research Products
(6 results)