2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis and scientific verification of of infomation about natural cleaning
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17H01953
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
大矢 勝 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (70169077)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 米ぬか / アルコール飲料 / アルキルベンゼン / 画像解析 / 確率密度関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナチュラルクリーニングは食材等に用いられる比較的安全な物質を用いて掃除や洗濯等の汚れ除去に応用する生活の知恵であり、マスコミ等を通じて生活者の注目を集めている。科学的根拠が薄く効果がないものが多くみられる半面、実際に効果のある興味深い手法も含まれている。しかし、ナチュラルクリーニングの各手法を科学的に検証した研究は過去にほとんど見られない。そこで本研究では、ナチュラルクリーニングを体系的に整理し、各手法について洗浄力の有無や効果について検証するとともに、効果のある手法についてはその科学的なメカニズムを明らかにし、科学的消費者教育の教材に発展させるとともに、洗浄技術開発のシーズ開拓につなげることを目的とした。 一般書籍やWEBサイトから、ナチュラルクリーニング関連の情報を収集し、特に米ぬか洗浄とアルコール飲料による洗浄に関する情報を収集して整理した。その中でビールのビタミンによる洗浄効果や酸・アルカリの洗浄に関する説明等で科学的に誤りのある情報が広まっていることが分かった。実験研究では表面反射率からそれぞれの油汚れの洗浄率を求めるための検量線を求める手法として、特に無極性油汚れの洗浄性評価が困難であることが分かったので、適切なトレーサー染料、或いはアルキルベンゼンをトレーサーとしての紫外線照射による画像解析法を検討し、一定の成果を上げた。また各種ナチュラルクリーニングの洗浄機構の解明のための基礎研究として確率密度関数法による洗浄力解析法に関する研究を進め、得られる2つのパラメータのうちの1つのσが洗浄機構に関連し、σが大きくなると、固体粒子の機械的脱落→水溶性汚れの溶解→油性汚れの可溶化→油性汚れの乳化、という順で洗浄機構が変化していくことが分かったので、ナチュラルクリーニングの洗浄機構の解明に道筋をつけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報収集・整理に関しては、当初目的は全体像を把握することを目的としていたが、実験研究の方向性との絡みで特に問題のある情報を抽出することとして、一定の成果を得た。実験研究では外観からの洗浄性評価に関する手法として、アルキルベンゼンをトレーサーとして紫外線反射による画像解析法を提案することができた。また、今後の各種ナチュラルクリーニングの洗浄機構解析に必要とされる手法として、確率密度関数法を発展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
情報収集・整理に関しては、他の問題情報を探索する。そして最終場面で全体像の取りまとめをマトリックス形式で完成させる。実験研究に関しては無機汚れに対する各種酸の効果や酸性・塩基性といった液性と汚れの性状との関連での洗浄メカニズム解析や、こげ汚れの洗浄メカニズム解析を進めていく。
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Research Products
(19 results)