2020 Fiscal Year Annual Research Report
ロコモティブシンドローム予防を目指した適正なビタミン摂取についての基盤研究
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17H01970
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
池田 彩子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (80308808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 裕昭 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20204208)
藤原 葉子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50293105)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 栄養学 / ビタミン / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスやラットに多量のビタミンEを摂取させると、骨量が減少することが報告された。また、ビタミンKは骨たんぱく質の合成を介して骨量の維持に貢献している。さらに、ビタミンCは骨の主要たんぱく質であるコラーゲンの合成に必要である。そこで、令和元年度までに、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、およびこれらを組み合わせて摂取した場合の骨への影響を、ラットを用いて調べた。その結果、これらの3種のビタミンのうち、ビタミンCの骨への影響が最も大きかった。そこで、令和2年度は、骨に対するビタミンC摂取の影響をさらに詳しく調べた。 ビタミンCを合成できないODSラット20匹を、対照群5匹および欠乏群15匹に分けた。対照群には、ビタミンCとしてL-アスコルビン酸添加飼料を15日間摂取させた。欠乏群には、ビタミンC無添加飼料を11、13または15日間摂取させた(各群5匹)。 最終体重および肝臓重量は、すべての群で差がなかった。欠乏群の肝臓のビタミンC濃度は、11日目で対照群の8%、13日目で7%、15日目で4%であった。血清オステオカルシン濃度および低カルボキシル化オステオカルシン濃度は、いずれも11日間のビタミンC欠乏によってすでに対照群の60%以下に低下しており、15日目には対照群の35%以下であった。また、皮質骨と骨梁骨の骨密度も、11日間のビタミンC欠乏によってすでに低下していた。一方、血清コルチコステロン濃度は、11日間のビタミンC欠乏では変化せず、13日目以降に著しく上昇した。血清の副腎皮質刺激ホルモン濃度は、15日間のビタミンC欠乏によって上昇する傾向が見られた。 以上の結果から、ビタミンC欠乏時の骨の変化は、ビタミンC欠乏によって引き起こされる炎症様反応に伴うグルココルチコイド濃度の上昇よりも前に生じることが、初めて明らかになった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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