2018 Fiscal Year Annual Research Report
花粉関連食物アレルギー症候群における新規アレルゲンの交差構造の解明
Project/Area Number |
17H01972
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 伸之 京都大学, 農学研究科, 教授 (90303908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福冨 友馬 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 診断・治療薬開発研究室, 室長 (30463110)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 花粉 / 食物アレルゲン / 果物 |
Outline of Annual Research Achievements |
花粉症に罹患している人々が、花粉症の原因抗原(アレルゲン)と類似するタンパク質を含む食物を摂取することによりアレルギー症状を発症する「花粉関連食物アレルギー症候群」が世界的に増加している。本研究では、本疾患の根本の原因となる花粉アレルゲンと、症状を引き起こす直接の原因となる食物アレルゲンについて解析することにより、交差反応に関わるアレルゲンを同定し、食品素材の低アレルゲン化などへの貢献を目指す。 これまでに、果物・野菜類アレルギーの確定診断がなされた患者の血清を収集し、本研究に必要な血清を確保するとともに、それらの臨床的な精査を終了した。本研究の対象となる「花粉関連食物アレルギー症候群」の原因となる花粉アレルゲンの根本の原因となる花粉アレルゲンについて、花粉抽出液の分画物と患者血清との反応性を解析した。その結果に基づいて、花粉のデータベースから当該疾患の原因となる可能性のある花粉アレルゲンに対する発現系を構築して組換えタンパク質の調製を進めた。また、食物に含まれる相同タンパク質についても、同様に発現系の構築を行った。酵母発現系および昆虫細胞発現系を用いて発現させたものについて部分精製を行い、それらと患者血清との反応性について評価したが、部分的に予想される反応性を示さない組換えタンパク質があった。それらについて、発現および精製条件を最適化し、患者血清との反応性を解析することにより、交差反応の原因となるアレルゲンを同定し、そのアレルゲンの交差反応に重要な領域について解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに、果物・野菜類アレルギーの確定診断がなされた患者の血清について臨床的な精査を終了した。本研究の対象となる「花粉関連食物アレルギー症候群」の原因となる花粉アレルゲンを同定するために、花粉抽出液の分画物と患者血清との反応性について解析してきた。その結果に基づいて、花粉のデータベースから当該疾患の原因抗原となる可能性のある花粉アレルゲンに対する発現系を構築して組換えタンパク質の調製を進めた。また、食物に含まれる相同タンパク質についても、同様に発現系の構築を行った。酵母発現系および昆虫細胞発現系を用いて発現させたものについて部分精製を行い、患者血清との反応性について評価したが、部分的に予想される反応性を示さない組換えタンパク質があった。それらについて、発現および精製条件を最適化し、患者血清との反応性を解析するとともに、交差反応の原因となるアレルゲンの領域について解明する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
「花粉関連食物アレルギー症候群」の原因となるアレルゲンの解析を継続して進める。これまで、花粉抽出液の分画物より、本研究の対象となる患者血清において高頻度で特異的なIgE抗体が検出される画分が見られた。その結果に基づいて、花粉及び食物の遺伝子情報に基づいて、本疾患の交差反応の原因となる花粉及び食物のアレルゲンの発現系について構築を試みてきた。しかし、酵母発現系および昆虫細胞発現系を用いて発現させたものについて部分精製を行ったもののなかで、正しく構造形成できないアレルゲンもあったため、高次構造についての検証を行いながら条件の最適化を進める予定にしている。また、発現系を構築できたものについて、ELISA法による患者血清との反応性を指標にして、対象とする患者群における交差反応の原因となるアレルゲンを同定する。さらに、同定するアレルゲンについては、順次、アミノ酸残基を置換した変異体を作製し、患者血清との反応性を解析することにより、交差反応の原因となるアレルゲンの領域を解明する計画としている。
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