2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of e-learning materials for scientists' visual communication design
Project/Area Number |
17H01974
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 佐代子 筑波大学, 芸術系, 教授 (10326415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 麻己人 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50254941)
三輪 佳宏 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70263845)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ビジュアルデザイン / 科学コミュニケーション / デザイン教育 / サイエンスビジュアライゼーション / 情報デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では研究者のビジュアルコミュニケーションデザイン能力を育成するためのeラーニング教材を開発している。全体的な役割分担としては、研究代表者(ビジュアルデザイン学)が総括し、2名の研究分担者(分子発生生物学、バイオイメージング)が協力した。そして平成30年度は以下を実施した。 1. 教材制作(4~11月) (1)教材の内容:昨年度は第5回まで制作したので、今年度は「第6回:図解2と表」「第7回:書体と文字組」「第8回:レイアウト」「第9回:最終テスト」を制作した。いずれもスライド、ポスター、論文等の研究発表資料における使用を前提とし、具体的な事例を用いた教材を制作した。能動的に楽しく知識を習得できるよう、視聴映像における文字や図のデザインや提示方法、ナレーション、時間設定を工夫した。(2)管理システム:昨年度と同様、学習管理システムmanaba(朝日ネット)を用いた。(3)制作方法:昨年度と同様、教材の原稿は研究代表者がPowerPointで作成し、ナレーションも録音した。映像編集作業は非常勤職員や短期雇用の大学院生が行った。(4)仮検証第6回~9回までの教材案を大学院生2~3名を対象とした模擬授業で仮検証し、その結果をもとに教材を修正した。 2. 教材の検証・評価(10~12月) 第1回~9回までの教材案を筑波大学大学院共通科目「研究のビジュアルデザイン」(10~12月)で検証した。様々な専門分野の大学院生56名が受講した(システム情報工学(29%)、生命環境科学(18%)、人間総合科学(16%)、その他(2%))。各回ともアンケート調査を実施し教材を評価した。また各回とも研究分担者2名が大学院生とともに授業を受講し教材を評価した。 3. 評価・分析(1~3月):授業での教材の評価結果を分析し考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 教材の内容:2017~2018年度の間に9回分の教材を制作し、授業での検証も実施できたので、おおむね順調に進展していると言えるだろう。 2. 授業最終日に実施したアンケート調査では、96%が「この授業を履修してよかった」と回答していた。また98%が「この授業で学んだことは今後の活動に役立ちそう」と回答していたが、特にそのうちの64%が「とても役立ちそう」と回答していた。さらに94%が「この授業を友人や後輩に勧めたい」と回答しており、開発した教材への評価が高いことがわかった。 3. 一方で、検証により様々な問題も明らかになったので、次年度はさらに教材を修正し、再度、授業で検証する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を推進するため本年度は以下を実施する。全体的な役割分担としては、研究代表者(ビジュアルデザイン学)が総括し、2名の研究分担者(分子発生生物学、バイオイメージング)が協力する。 【1】検証で明らかになった問題を解決するためe-ラーニング教材(9回分)を以下を中心に研究代表者が修正する。1)PowerPointやExcelの習熟度が異なる複数の学習者に対応できる内容にする。2)学習者の集中力を持続させるため、教材(映像と演習課題)の提示方法を工夫する。3)学習意欲を向上させるため小テストなど学習成果の評価方法を工夫する。 【2】効果的なスライドによるプレゼンテーションの構成や工夫に関するe-ラーニング教材(1~2回分)を新たに制作する。2名の研究分担者の研究者としての経験やアイデアを活かした内容にし、教材全体として質の向上を図る。 【3】筑波大学大学院共通科目「研究のビジュアルデザイン」で、修正分と新規制作分の教材を検証する。研究代表者は教材を提示し、研究分担者は大学院生とともに授業を受講して教材を評価する。そして大学院生と研究分担者の評価結果を教材に反映させる。 【4】日本科学教育学会第43回年会(栃木県宇都宮市)で、これまでの研究成果を研究代表者が口頭発表し、有識者から意見を求める。2020年2月:アメリカ科学振興協会(AAAS)のAnnual Meeting 2020(Washington D.C.)で研究代表者が研究成果をポスター発表し、有識者から意見を求める。 【5】完成させたe-ラーニング教材(10~11回分)を、国内の教育者・研究者に広く提供する方法を研究代表者と研究分担者で検討する。
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