2019 Fiscal Year Annual Research Report
認知科学的分析に基づくインタラクションサイクルモデルを礎としたスキル学習支援環境
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17H01996
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
曽我 真人 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60252839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 憲幸 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40294128)
三浦 浩一 和歌山大学, データ・インテリジェンス教育研究部門, 講師 (70362861)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スキル / 学習支援 / 技能 / AR / VR / 動作 / インタラクション / HCI |
Outline of Annual Research Achievements |
絵画描画スキル学習支援システム,史実学習支援システム,動作スキル学習支援システムの構築を行った. 1.絵画描画スキル学習支援システムは,花瓶を3D物体の事例として用い,花瓶の形状を3D仮想空間内にモデリングし,PCに接続した力覚インタフェース(PHANTOM製のGeomagicTouch)を絵筆にみたてて,学習者が操作すると,それに応じて仮想空間内の仮想絵筆が連動し,仮想花瓶に仮想絵筆が触れると表面に絵付けができる.この仕組みにより,学習者は実物の花瓶を用いなくとも,仮想空間内で絵付けのデザインを試してみたり,描いた絵を正面から見た場合と斜めや端から見た場合にどのように見えるかを確認できる.さらに,実物の花瓶に,仮想絵付けを行ったVRの花瓶を,ARを用いて重畳表示する機能も搭載した. 2.ARを用いた史実学習支援システムは,関ヶ原の戦いを事例として用い,武将を印刷したカードをARマーカとした.さらに,地図上での位置を示す原点として原点マーカも用意した.地図は,日本全体が入る地図,近畿地方の地図,関ヶ原の地図の3枚を用意した.システムが,史実の断片をテキストで表示するとともに,その史実断片に合うように関係する武将ARマーカを配置するように学習者に促す.学習者は,それに従って武将ARマーカを地図上に配置すると,カメラがそのARマーカを認識し,PCを通して,それに応じてその史実断片の詳しい説明がモニター上に提示されるという仕組みである. 3.動作スキル学習支援システムは,VR空間内にスキーのゲレンデを模した仮想3Dスキー場を構築した.具体的には仮想ゲレンデにスキー競技用の仮想旗が一定間隔で立ててある仮想空間を構築し,圧力シートセンサ上に人が立つと,足裏の圧力をリアルタイムで計測し,重心位置をリアルタイムで計算して,左右の足の間で体重移動に伴って左旋回もしくは右旋回しながら,VR空間内のアバターが仮想ゲレンデを滑降する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度の交付申請書に研究計画として記載した絵画描画スキル学習支援システム,史実学習支援システムは,予定通り,システムを構築した.動作学習支援システムのスキー学習支援は,VR環境は完成している.現在,シート圧力センサを6枚結合して,その上にスキー板を設置し,学習者がスキーを履いてHMDを装着し,VR世界のゲレンデに没入しながら左右の足の体重移動に合わせてVRの仮想ゲレンデ上で左右に仮想旋回できるシステムの構築に取り組んでいる.このため,「おおむね順調に進展している」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的に記載した①認識,②判断,③行動のインタラクションを繰り返すスキルは,ほかにも様々なものがある.そこで,そのようなスキルの事例として,今後は語学学習支援,音楽学習支援などにあらたに挑戦してゆきたい.また,スケッチ学習支援は,前述のように令和元年度は3D物体への絵付けの支援をVRやAR技術を使って支援するシステムを構築したが,人体画のスケッチにも挑戦したいと考えている.それら,新しいスキルの学習支援に挑戦することで,研究目的に記載した仮説を実証してゆきたい.
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Research Products
(37 results)