2017 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー資源の輸入計画のための統合的リスク評価モデルの開発
Project/Area Number |
17H02042
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鳥海 重喜 中央大学, 理工学部, 准教授 (60455441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 隆太 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 准教授 (50401138)
渡部 大輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (30435771)
小林 和博 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 講師 (00450677)
佐藤 公俊 神奈川大学, 工学部, 助教 (60609527)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エネルギー資源 / 海上輸送 / リスク評価 / 数理モデル / 在庫管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究実施計画に基づき,以下の研究を実施した. (1)資源の輸入計画策定の際には,資源の価格や輸送コストを考慮する必要がある.輸送費用において資源価格が占める割合は大きいため,資源価格を小さくする輸入計画及び具体的な輸送計画が必要である.そこで,このような計画を策定するために運航速度や運航地域を具体的に考慮した計画モデルを開発した.また,海上輸送において,船速を基準としたCO2排出規制を行った場合の影響を,運航コストの観点から分析した. (2)供給途絶リスクおよび需要リスクの下で総費用を最小化するための最適在庫政策を導出するとともに,供給途絶に対応するためのバックアップサプライヤの選定に用いる新たな指標を提案した.本モデルは複数の供給元を考慮したエネルギー資源の調達にも適用可能である. (3)海賊リスクの空間分析について,ソマリアを含む東アフリカ周辺海域における海賊活動の現状をまとめるとともに,最大被覆問題を拡張し複数種類の海賊監視機器を考慮したモデルを定式化し,当該海域における海賊監視システムの最適運用について検討した. (4)天然ガスをLNGとして調達し,その調達した燃料により売電する天然ガス電源のサプライチェーンマネジメントの経済性評価モデルを構築するために,電力価格の不確実性のみを考慮した基礎モデルとして,調達コストを含めた売電収入の最大化問題として定式化を行った.また,電力価格の不確実性に起因する売電収入リスクはCVaRで表し,これも収益関数に含め分析を行った.その結果,リスク回避的度の大きさにより,売電収入,CVaRそれぞれにおいて,異なる値を示すことが確認された. (5)船舶AISデータに関して,今後の分析を推進するために正規化したデータベースを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画と比べて遅れているサブテーマも一部にあるものの,全体としてはおおむね順調に進展している.遅れているサブテーマに関しても,研究を促進するための準備は整っており,十分に挽回は可能であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,研究代表者並びに研究分担者らの研究成果をまとめた国際ワークショップを開催する予定である.また,本研究課題と関連する他の研究グループとの交流を深め,意見交換などを行いつつ,研究成果の多角的な評価を実施する.
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