2018 Fiscal Year Annual Research Report
船舶環境における疲労削減を目的としたサイボーグスーツの開発
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17H02056
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Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
坂牧 孝規 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (80256627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井根 礼音 東京電機大学, 総合研究所, 助教 (20784424)
三井 和幸 東京電機大学, 工学部, 教授 (60209799)
小川 伸夫 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (60280400)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 労働安全衛生 / 船舶動揺 / 疲労 / サイボーグスーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,船舶動揺に対する操船者の姿勢維持運動を外部から力を加え制御することで,操船者の肉体的疲労を軽減するサイボーグスーツの開発を目的とする. サイボーグスーツは,乗船者の船舶動揺に対する姿勢動揺を抑制・吸収することを目的とするものである.このため,アクチュエータは,パワーアシストではなく,生体の姿勢動揺にブレーキをかける機能を実現するとともに,湿度の高い環境でも安全に動作し,狭い船舶内でも利用できる小型なものである必要が有る.また,研究を実施するためには,実際の船舶動揺と同様な動揺を,陸上に於いて再現できる動揺装置が必要となる. 本年度は,昨年度デバイスとして選定したEAM(Elector Attractive Material)の利用について,小型で受動的な機構により足関節周りの筋肉を支援する機能を,制動装置によりバネの力を歩行動作に連動して切り替える機構を考案し,その応用について検討を行った. また,サイボーグスーツの機構設計のための基礎研究として,疲労に繋がる船舶動揺に対する姿勢動揺の解析と,波などの視覚情報が姿勢動揺に与える影響について解析を行った.船舶動揺に対する姿勢動揺は,肉体的疲労に繋がると考えられるエネルギー代謝が生体の腰のPitchの揺れに影響していることを解明したが,生体により個体差がある可能性が示唆された.また,視覚情報を原因とする姿勢動揺は,生体の重心動揺が波向きに応じて異なることがわかった. 開発検証環境として,安全機構,電磁ノイズ対策,操作インターフェースの簡略化を行った小型の動揺装置のハードウエアの製作をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の研究で実施したサイボーグスーツの機能設計における姿勢動揺の解析に関する基礎実験と,開発検証環境の製作に時間を要し,計画に遅れが生じた.さらに,基礎実験から生体の姿勢動揺について,新しい知見を得ることができたため,この結果をサイボーグスーツの機構設計や制御手法の開発に反映する必要が生じ,試作環境と実験環境の再構築を行ったため,計画全体が遅れることとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の基礎実験で得られた知見を基に,サイボーグスーツの機械機能と生体が協調動作可能な,機構と制御アルゴリズムの開発を目指す.サイボーグスーツの開発は,アクチュエータデバイスとしてEAMブレーキデバイスを用い,肢補装具の構造を応用し,生体の動揺に応じて関節動作を制御する機構の試作および検証を行う. 開発検証環境については,新規に開発した動揺装置のソフトウエアの再構築を行う.
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Research Products
(5 results)