2017 Fiscal Year Annual Research Report
Tsunami early warning system using GNSS TEC observation
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17H02058
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鴨川 仁 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00329111)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 電離圏 / 津波 / 津波電離圏ホール / 全電子数 |
Outline of Annual Research Achievements |
大津波発生時には、超低周波の音波が励起され、高度100 kmの電離圏E領域まで約6分で伝わり、TECデータに顕著に変動が現れる高度250 kmのF領域まで約9分で到達する。電離圏のプラズマを含む大気密度は低いことから到達音波の振幅はF領域では大きく増幅される。音波の谷となる位相時には高度が低い領域まで波の振動が戻るため、高い高度に含まれている電子は低い高度まで輸送され、プラズマが再結合時に、電子が消失する。電子の復元には時間がかかることから、電離圏電子の消失は1時間にもおよぶことがある。この現象を津波電離圏ホールと呼び津波の直上の電離圏で発生する。津波電離圏ホールにおける電子の消失量と初期津波高には物理的考察の観点から単調増加の関係が見られると考えられるため、最大TEC変動量から初期津波高を見積もれると推察される。本研究ではこの性質を利用し国土地理院が全国で受信しているGPSデータの一部を活用して早期津波予測リアルタイムシステムの開発および津波電離圏ホールのダイナミクスを詳細に明らかにする。 本研究のリアルタイムデータについては情報通信研究機構(NICT)が運営するNICTサイエンスクラウド上で提供されているGEONET リアルタイムGPS全電子数データを利用した。前年度の成果である津波電離圏ホール規模と初期津波高さとの相関式を用いて、リアルタイムで津波電離圏ホールによる二次元全電子数変動量から二次元初期津波高を算出するアルゴリズムを構築した。 津波電離圏ホールのダイナミクスの詳細な理解のために、雷放電起原の電波観測による下部電離圏モニターと微気圧計の観測を開始・維持を行った。これらは今後発生すると思われる津波電離圏ホールの検知のためのものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画全体としては概ね順調に進展している。特に、リアルタイム早期津波予測のアルゴリズムおよびシステムは原始的なものであるが完成し、早く進展した。その反対に、当初予定していた、津波電離圏ホールのE領域におけるダイナミクスの成果については、学術論文は投稿しているものの、出版には至っていない。また、津波電離圏ホールのシミュレーションも開発途中である。下部電離圏変動観測と微気圧計観測については順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
予定より遅れている津波電離圏ホールのE領域におけるダイナミクスの論文の受理を優先に行う予定である。また、シミュレーションも、コード上可動しない部分のデバッグ作業を行う。一方、進展が早く進んでいるものについては、優先度を下げる。
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Research Products
(1 results)