2018 Fiscal Year Annual Research Report
Deepen and expand a multi-scale and -physics tsunami disaster simulation
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17H02061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅井 光輝 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90411230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 大吾郎 筑波大学, システム情報系, 教授 (00262121)
笠間 清伸 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (10315111)
伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 教授 (90168328)
馬場 俊孝 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90359191)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 津波解析 / 粒子法 / マルチフィジックス解析 / マルチスケール解析 / 防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに開発してきた多階層マルチスケール・マルチフィジックス津波被害予測シミュレータをシンカさせるため、下記の内容を実施した。 進化①(レベル1解析手法の高精度化):地球物理学の分野での最先端の知見(研究協力者である海洋研究開発機構(JAMSTEC)・堀高嶺が開発している地震サイクル解析に基づく地殻変動推定)の結果を用いた津波伝搬解析を実施した。 進化②(粒子法の高速化):不確実事象の定量的評価を行うため、複数の地震シナリオに対するマルチスケール津波解析を実施しなければならない。これまで以上に計算負荷が高く、膨大な量の解析を行う必要があるため、省メモリ化・計算コストの低減を図った。具体的には,完全陽解法化した新たな粒子法(これまでは半陰解法を選択.また既存の疑似圧縮性粒子法とは異なる)の開発を行った.また更なる大規模問題を超高並列な計算機にて実施できるような新たな並列化ツール(Expanding Slice Grid法)へと発展させた。 深化(木造家屋等の瓦礫解析機能の追加):筑波大学・磯部らの開発してきたASI-Gauss法による構造倒壊解析と粒子法による流体解析を統合し、瓦礫の生成、および瓦礫に伴う連鎖倒壊解析を実施するため、まずはASI-Gauss法による地震動による倒壊解析を実施し、その可能性を示した。また、今後の街規模での大規模計算に向けたアルゴリズムの見直しを実施し、約10倍の高速化を実現した。 真価発揮に向けた準備(GPGPU利用による利用者拡大):スパコンなどの特殊な環境だけでなく、安価なワークステーションでも動作することが望ましい。そこで先のGPGPU化により,100万円程度のGPU付きワークステーションにて数千万~1億粒子程度までを可能とすることを具体的な目標とし、解析コードのGPU化を図り複数GPU(4枚まで)での高速計算を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請書で計画していた研究開発項目の5項目(進化に関する2項目、深化に関する2項目、真価に関する1項目)のすべてに対して予定通り研究を着手し、1年目ですべて目途が立ち、2年目に開発のほとんどが終了した。その結果、2年間で査読付き論文11(1年目6+2年目5)編、国際会議での発表15(1年目6+2年目9)件(2件は基調講演)など多くの研究業績があげられた。特に解析コードのGPU化と超並列化(スパコン対応)には2~3年要すると予想していたが、予想以上に開発が進み、GPUおよびスパコンで高速な粒子法ツールの基盤が構築できた。 以上、すべての開発項目に対してほぼ完了し、最終年度にはそのツールの適用(真価発揮)のために十分な時間と計画が練れるだけの余裕を持つことができ、非常に多くの研究業績があげられたことから、予想以上に研究が進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は、開発ツールにて南海トラフ地震時の高知の被害予測を実施する計画のみであったが、開発が順調に進み、最終年度に実施予定であった解析モデルの作成が終わり、すでに試し解析を実施できた。このため追加項目として、2011年の被害再現解析実施することで開発ツールの妥当性確認を行うことにした。
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Research Products
(14 results)